2020年6月15日月曜日

安全保障は経済より優先する

経済とは自由・民主主義が機能する主権国家でなければ発展はしません。共産主義経済は、個人利益を得られません。個人の利益拡大には権力を取るしかないわけです。
何某かの権力を得て、そこから私益を得る以外に方法はないわけです。そして常に共産主義では私益は法律違反になっているはずです。

私益を認める自由・民主主義では、法の下で私益を追求します。経済の活性化、即ち生産性の向上が可能になります。

現在、自由・民主主義国のアメリカと共産主義国である中共の経済戦争が行われています。戦争はエスカレートし、世界各国に「アメリカ側に付くか中共側に付くか」のかなり厳しい選択が行われています。
その根底には、自由・民主主義国が開発する技術を不正な手法で盗み取る共産主義国があるわけです。これがトランプ政権を対中経済強硬策に出た理由です。

中共が盗み出した技術系情報は、主として軍事関連技術です。もっとも最近は民生用も軍事用もあまり左が無くなっていますので、技術全般と言った方が良いでしょうか。
ですからこれは経済的な問題と言うよりも安全保障上の問題となるわけです。

日本や台湾からも多くの最新技術が中共に流れ込んでいます。この事実は、米中が蜜月時代ならば利益はあったでしょう。しかし現在の様な戦争状態にあるときは利益よりも安全保障が優先されますから、敵国における経済活動は規制されて当然と言うことになります。

台湾は常に中共からの軍事的圧力は受けてきました。その理由は「台湾は中共の領土の一部である」と中共が言い出してからです。(1971年・国連アルバニア決議)
アメリカと国交を回復した1979年にもアメリカに対して「一つの中国」と表現して台湾の併合をアメリカに訴えました。アメリカは「中共の言い分は理解した。台湾国民がそれを望むなら認めるが、軍事的併合は認めない」と答えています。

そしてその台湾の国民は、いまや反中共になっております。そして選挙によって圧倒的多数で選ばれた蔡英文総統は、「一国二制度は受け入れない」として台湾は独立国であることを示唆しました。
それをアメリカが受けて、台湾に対する軍事的支援を再開しています。アメリカにとって台湾は米中戦争にとって安全保障上の重要な国家になったからです。

これまで親中的だったオーストラリアは、クライム・ハミルトンの「静かなる侵略」に示された多くの中共側の国際法違反に気が付き、現在のスコット・ジョン・モリソン首相は度重なる中共の恫喝に屈せず、現在はアメリカ側に付いたようです。

一番問題の在るのは我が日本です。安倍政権はもともと反中で、トランプ政権と対中強硬策を取ってきました。しかし米中蜜月時代に中共に取りこまれた日本企業、特に経団連が中共の術中に嵌って手玉に取られています。
二階幹事長を通してでしょうか、安倍政権に圧力をかけ「日中関係は正常に戻った」などと言わせて経団連参加企業は中共へ再投資をしているようです。

現在もまだ、「中共政府への要望」と称し「経団連会員からの声」とするパンフレットを永田町で国会議員に対し、「中共で日本人の新型コロナに発症した場合の病院情報等の提供を頼んでほしい」とか、工場再開の規制などの情報公開の一元化や最新情報のタイムリーな公開・更新を御長居して欲しい」などと安倍政権への依頼事項として配布しているようです。(2020年2月12日と27日に配っていたとか)

さらに経団連は、日本国民に対して「多くの日本人は、中国人に対する見方をあらためる必要がある」などというパンフレットを2020年6月9日にも配っていたとか。
この中には「一般の中国人は今の日本を見分し実体験としてかつての悪感情から脱してより友好な見方に転じている。(日本の)マスコミにより一昔前の中共や中国人のイメージに囚われる部食い去りがたい『上から目線』に立っているように思えるが、現在の中国を見るに、それは明らかに論外であろう」とか、「政治体制の違いはあるにせよ、意思決定の迅速さや社会実装力の強さ、厳しい競争で培われたハングリー精神や起業家精神、イノベーションから事業化までを支える産間学一体となったエコロジーシステムなど、日本は中共から学ぶべき点が多くある」などと中共共産主義社会をほめたたえた文章が書かれています。

迅速な決定が出来るのに、なぜ「公開情報の一元化や最新情報のタイムリーな公開・更新」をたのまなければならないのでしょうか。
本当のことを言うと、中共内の自社社員が酷い目に合わされるからではないかとも思えてきます。

安倍政権は今後少しづつアメリカ側に近づくそうです。中共側からものすごい恫喝のメッセージが環球時報を経由してなされていますから本当でしょう。
「米中は摩擦の中にある。もし日本が『正義の側』(中共側)につかないで、同盟相手つまりアメリカ側につくならば、何かの時に日米安保条約がそのまま使えるなどと思うなよ!」と述べていたそうです。(言論テレビより櫻井よしこ氏の意訳とか。中共の正義は日本の邪悪と言うことを理解しましょう)

この恫喝は、安倍首相が「新型コロナウイルスが武漢から発症したことは紛れもない事実だ」と述べた直後に書き込まれたそうです。これが意味するところは「日米分断を狙ったもの」と言うことですが、このような恫喝に経団連は今後実質を伴って晒されることになるかと思います。

どうやら台湾もオーストラリアも次第に経済よりも安全保障の方が優先することに気が付き始めたようです。

オーストラリアのモリソン首相は、中共がオーストラリア牛肉などの輸入に関税を80%掛けると言って恫喝しても動じませんでした。WTOに訴えると返しております。

台湾の大手半導体メーカーのTSMCは5ナノメーターの半導体開発工場をアメリカのテキサスに作ることを要請されました。
これを蔡総統自らがTSMCに赴き説得したようです。TSMCは南京と上海に大きな工場を持ち、中共との対立は好ましいものではありません。しかしTSMCは今後のファーウェイからの注文には応じないところまでは約束したようです。今後どうするかは判りませんが、経済よりも安全保障を優先することになると思います。

安倍政権は、この補正予算で2400億円の「日本企業の中共からの日本回帰資金」を用意したのです。しかし経団連の90%の企業は「日本に戻る気はない」と答えたとか。
経団連はまだ安全保障より経済を優先させているようですね。そして世界がどう動いているかを知るべきです。アメリカの市場を失い、中共への輸出も出来なくなっていくはずですけど・・

安全保障が崩れれば、経済などあっという間に崩壊します。そのことを良く考えましょう。

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