2019年11月1日金曜日

ポピュリズムは悪いことか?

ポピュリズムを「大衆迎合主義」として非難する人たちがいます。民主主義が衆愚政治を生み、再び独裁主義になるという循環を訴えるときの、衆愚政治の切っ掛けがポピュリズムと言う訳です。

ポピュリズムの反対語は「エリート主義」です。
つまり一般大衆は何も判らないのだから、一部「エリート」に政治を任せましょう・・という発想が根づよくあるからでしょう。
一般大衆は衆愚だからだ・・と言う理由のように聞こえます。

民主主義は王侯貴族の政治が腐敗と不平等を生み出すとして出来上がって来たものでした。近代民主主義は共産主義と同時に始まったようです。
しかし利害関係が収まらず、既得権益を手放さないエリート集団が実質の政治活動を行ってきたように思います。
そして選挙という手法で政治の浄化を試みても、実際に政治を行う側からすれば大衆を丸め込めば良いというような民主主義が行われ、一方では共産主義者が既得権を独占するという王侯貴族に取って代わった共産主義者による封建主義が始まってしまったようです。

この王侯貴族の政治が破綻したのが第一次世界大戦で、その後「エリート政治」と「ポピュリズム政治」が混在しながら、第二次世界大戦へと突き進みます。

そして第二次世界大戦の結果、アメリカ合衆国が勝利します。そしてアメリカ型民主主義が世界に向かって拡散していきます。
これに対してソビエト型共産主義も拡張を始め、朝鮮戦争の勃発と停戦協定から東西冷戦構造が作られ、ベトナム戦争でベトナムから東南アジアが戦場になって東西の代理戦争を引き受けます。

その後ドル覇権が功を奏して、ソビエト連邦は崩壊し、アメリカの単一支配の世界になります。そこに嘘と陰謀で世界征服を目指す「中華思想」が、自由化を餌にアメリカ・ディープステートを騙し始めます。
ニクソン政権時代、この演出を行ったのがキッシンジャー補佐官でしたね。

ソビエト連邦崩壊直後に、それまで核戦争抑止技術であったネットワークを、アメリカが無料で世界中に公開しました。それがやがてインターネットとなって普及し始め、日本のNTTが携帯電話に「Iモード」を付けてデジタル通信を一般大衆に普及させ、アメリカがスマートフォンという携帯端末を作ってインターネットの普及を早めていきました。

このコンピュータと通信技術という情報革命が、政治世界に影響を与えるのは当然のことで、共産主義の世界が情報操作をしにくくなってきています。
民主主義の世界では、既得権(要するに権力)持ち主がかなりやりにくい時代になって来たようですね。それが「ポピュリズムの台頭」と言われている現象なのではないでしょうか。

ポピュリズムを衆愚政治と見なして排除しようとする裏に、エリート主義があるように見えてなりません。
一般大衆は今、インターネットで様々な行動を起こしています。もちろん公序良俗に反するような映像もありますし、先導型のプロパガンダも、振興宗教的な洗脳工作もなされています。
しかしそれにもかかわらず、専門知識を持った人物が自分のチャネルを持ち意見の発信をしていたりしています。これによって大衆がマスコミに騙されなくなってきているようです。

この事実を象徴するのが、中共によるインターネット・マスキング(隠蔽)です。共産主義運営にとって不都合な情報をインターネット上から見えないように隠す行為がなされていますが、これがインターネットが政治世界にもたらす影響を示す証左ではないでしょうか。

そう言う訳で、これまでのエリート政治がぐらついています。アメリカのトランプ大統領誕生から、英国のブレグジット、香港の対中共デモ、台湾の独立運動といった「ポピュリズムの台頭」が誘導されていると見ています。

欧州の「貴族支配の残影」や、アメリカの「ディープステートの政治支配」、そして中共の「共産主義が生んだエリート支配」などが持つ、その悪臭に大衆が気付き始めているというのがそれだと思うのです。

我が日本では、戦後に行われたアメリカ・ディープステートの洗脳工作が70年以上を経ても解けていないようで、政府官僚がまったくこの世界的流れに気付いていません。
それが結果的に安倍政権がトランプ政権とは正反対の政治行動を起こしている理由だと思います。
トランプ大統領の「対中経済制裁、ディープステートとの国内政治での戦い、中東からの撤兵」などに対する「中共との国交正常化、財務省に準じた消費増税、そしてホルムズ海峡への自衛隊派遣への躊躇」などがトランプ政権と真っ向から対立することになります。

財務省も外務省も、そして国土交通省も文科省も、戦後にアメリカ・ディープステートから教育された、歪んだエリートで、それが若い世代の官僚にも伝播(前例主義としての教育)していると言う訳ですね。
この歪んでしまった日本のエリートを突き崩すには、やはりポピュリズムを使うしかないと思います。ようするに既得権保持の入れ替えですね。

企業エリートたちも同じようなもので、右へ倣いで中共詣でを続け、砂上の市場に夢遊病者のように引き付けられているように見えます。
ここにもポピュリスト的な企業家の登場が必要ですが、企業既得権は日本市場を押さえていますから大変です。

一般大衆が気が付けば、日本のエリート主義は消滅するかも知れません。しかし気付かなければ今のままの政治が続きます。それは戦後の既得権保持者が生き残ることで、中共と共に世界から切り離されて行くと言うことです。
その既得権保持者が今まで日本を支えてきた企業経営者達であったり、保守陣営の人であることが一番の問題なのですけど・・・

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