トランプ氏がアメリカ合衆国次期大統領に決まったのは11月9日でした。そして11月11日には安倍首相と17日にニューヨーク出会うことが決まり、それから11月14日に習近平主席と電話で「連絡を密に取り、実務的に良好な関係を築き、相互利益や2国間関係の発展に向けて意見交換するため早期に直接会談を行うことを約束した」そうで、早い時期に米中首脳会談の開催を約束したそうです。
その後、トランプ政権の閣僚にノミネートされる人々には、経験豊富な共和党の政治家が挙げられており、副大統領に内定したらしいマイク・ペンス氏は弁護士出身の過激な保守主義(ティーパーティー側)の人。
そしてこの人が実質的なトランプ政権の人事を進めているようです。もちろんトランプ氏と相談しながらですが・・・
そして12月2日、トランプ氏は台湾の蔡英文総統と電話会談をしました。これまでの大統領は「一つの中国」原則によって台湾総統との接触を避けてきました。しかしトランプ次期大統領は違うようです。
蔡総統が就任したのは今年5月、両者は互いに祝意を伝え合い「米国と台湾の経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認したそうです。
トランプ氏のこの行動が、習政権の出方を伺うためのものであることは間違いなく、どのように中共側が反応してくるか、それを探っているようです。
3日になって、王毅外相が「台湾側のくだらない小細工だ」と述べました。会談が蔡総統の方から持ち掛けられたことを踏まえた批判で、矛先をトランプ氏ではなく蔡総統に向けてきたようです。
故)ニクソン大統領が米中国交回復をした時、台湾は「一つの中国」と言うことで合意し、台湾とアメリカの国交は無くなりました。
しかしその時の約束は、「軍事侵攻はしないこと」と「一国二制度とすること」などが決められました。
アメリカは、この一国二制度は大陸側が民主化した時に解消することを念頭に置いていたのでしょう。しかし中共はあくまでも台湾を共産化するつもりでした。
その後アメリカは台湾関係法を作り、中共が軍事的に台湾を併合することのないように睨みを利かせていたわけです。台湾への軍事支援と沖縄の米軍基地が、どのくらい中共をイラつかせているかは理解できますね。
その後台湾はマイクロチップなどの技術で経済成長しました。そしてそれを追うように日本の技術支援によって中共側も経済成長を始めます。
台湾の政権は蒋介石の国民党が牛耳っていましたから、中共とアメリカの合意した「一つの中国」に従っていました。しかしやがて民主制度によって民主進歩党が出来上がってきます。
中共側は何度か軍事侵攻のようなそぶりを見せますが、アメリカの恫喝で強くは出来ませんでした。
しかし8年前、オバマ大統領が登場してから様相が変わります。理想主義者のオバマ大統領は、中共を甘く見ていたようです。
「世界の警察官を止める」というメッセージは中共の「太平洋分割論をアメリカが容認した」と受け取られたようです。
そこから南シナ海に軍事拠点を作り、東シナ海・尖閣諸島への侵攻が始まったからです。東シナ海は台湾進攻のための沖縄米軍追い出しから始まる作戦です。
日本は民主党サヨク政権となり、そのために「沖縄サヨク」が奮闘しています。
この国際法を蹂躙し、戦争をも辞さない傍若無人な中共・習政権に対してオバマ政権の対抗策はリップサービスだけでした。
中共は人民元を使った経済戦術で東アジアや欧州を叩き伏せます。アメリカへは行き詰った国際金融資本を手玉に取って、唯一の宿敵である日本を包囲し始めます。
日本は政権交代を果たします。自民党の安倍政権が出来ると、この包囲網突破が始まります。安倍首相自らが動くこの安倍外交は、オバマ大統領をリードしていきました。
習政権は、AIIBとか人民元のSDR入りなどを持ち出してきます。国際金融機関の、英国のシティとアメリカのウォール街を手玉に取った巧みな経済戦略です。
中共は経済破綻という爆弾を抱えながら、共産主義という隠蔽体質を巧みに利用してきました。
その中共の世界戦略に対し、安倍首相は「地球を俯瞰する外交」で対抗してきたのです。
今後トランプ次期大統領がどのような外交を始めるか、それがもしかしたら垣間見えたような、そんなトランプ・蔡両氏の電話会談でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿