2012年1月9日月曜日

倒産、アメリカのコダック社


時代の流れか、デジタルカメラに変わってきたことは判っていましたが、まさかコダック社が倒産するとは思っていませんでした。
イーストマン・コダックというフィルムはカラーフィルムの老舗でしたからね。
現在、その1100もある特許を売却して凌ごうとしているようですが、はたして写真技術特許が今売れるかどうか・・・

コダック・イエローという言葉が出来たくらい、黄色に特徴があるフィルムでした。ドイツ・アグファの赤、富士フィルムの青など、それぞれが色の特徴を持っていたのも、フィルムワークの面白い点でした・・・
映画「男と女」で、コダックイエローのハッとするシーンなどが思い出されます。

フィルムの世界はケミカル職人の仕事場でした。また、写真家達も目的の画像を表現するために、このような各社のフィルムを使い分けていた人もおりましたね。
光の芸術と言われた写真。そこにデジタルという技術が土足で踏み込んできます。

液晶という微細加工のフィルムは、極小の点のさらにその中に3原色の3つの点を組み合わせて、透過光で色を表現します。また、インクジェットを始めとするプリント装置は、微細なインクの点の構成で色を表現します。
制御するのはデジタル回路。これまた微細加工の技術を駆使した電子部品で作成され、瞬間の制御をこなして行きます。

観光地などで、今やほとんどの使われているカメラはデジタルカメラ。カメラなどには縁のなかったお年寄りなども、携帯電話についているデジタルカメラで写真を撮っております。
フィルムカメラを使って写真を撮るのは、プロのカメラマン、それも一部のカメラマンとなってしまったように思えますね。

写真を撮ることは携帯カメラで簡単に出来ても、それを他の媒体(例えば紙)に印刷することはなかなか出来ないようです。それが簡単に出来るプリンタ装置なども市販されてはおりますけど、まだなかなか普及はしておりません。パソコンで行う加工に比べて貧弱だからでしょう。

また、デジタルカメラはその写真撮影を自動的に連続させることで、簡単にムービーにすることが可能です。すでに市場には多くのデジタルムービーカメラが登場しております。
メモリーの高密度化(これも微細加工技術ですけど)が進んだおかげで、ムービーも手軽に撮影できるようになりました。

フィルムの時代は20世紀で終わってしまったようですね。
コダックフィルムで取られた価値ある映像は、その多くがすでにデジタル化されてメモリー内に保存されています。そして誰でもインターネット経由で見られるようになるでしょう。

それでも、何となく懐かしいフィルムの世界。この郷愁にも似た心象は・・これだけはデジタルでは得られないものかも知れませんね。
セピア色の写真・・・デジタルで作成しても、これだけは偽者であることがはっきりしておりますからね。

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