2020年12月10日木曜日

リブラ、ヒツジの服着たオオカミ?

リブラとはフェィスブックが始めようとしている仮想通貨です。

仮想通貨とは、コンピュータ」とインターネットで繋がった取引き者双方の電子的バランスシートの双方に借りと貸しの記録をすることです。
不正が出来ないように作られた仕掛けがブロックチェインという技術ですね。

仮想通貨という意味は、結局最初には法定通貨(日本では円)を使って仮想通貨を買わなければならないからだと思います。そしていつでも仮想通貨を売って法定通貨に戻せることで、この仮想通貨が使えているわけです。

仮想通貨でも決済ができる取引はインターネット上での通信販売では便利なようですが、一般の取引では双方がその仮想通貨を使う環境が整っていなければなりません。

このリブラ、12月7日の先進7カ国(G7)財務相らによる電話会談で、改めて強い規制が必要だとの意見が出たようです。
フェイスブックの方は、リブラの先進7カ国(G7)財務相らによる電話会談で、改めて強い規制が必要だとの意見が出たようです。以前からリブラの発行を嫌ってきた各国の財務省です。
フェイスブックはリブラの構想を縮小し、仮想通貨の名称も「ディエム(DM=デジタルマネー)」に変えて再出発すると発表したようですが、それでも嫌われているのは間違いないようですね。

反対する理由は、通貨発行権を持っている国家が、為替管理のシステムを超えて仮想通貨で取引(国境を越えた取引)をされると、その通貨主権が侵されるからです。
そしてこのフェイスブックの仮想通貨の裏に、ディープステート(通貨発行権を嫌っています)の影がちらつきます。ですからドイツのショルツ財務相が「オオカミはヒツジの服を着ても、やはりオオカミだ」と指摘し、厳しい警戒感を示すのも当然のことでしょう。

このディエムのような国家主権とは関係のない仮想通貨に対して、今、世界各国で法定通貨の電子通貨化が検討されています。
すでに中共ではデジタル人民元をある地域で実験的に使い始めました。中共の目指すところは、このデジタル人民元を国際通貨として、ドルに代わる貿易決済通貨にしようと画策しているわけですが、そうはさせじと各国ともデジタル化した法定通貨の発行を始めるべく研究が行われています。

各国が法定通貨のデジタル化を行うと言うのは、紙幣からデジタル信号貨幣へ移行することを意味します。
そして評論家の松田学氏は、発行元を各国政府にしようという考えを出しました。現在は通貨発行は自由主義国であれば中央銀行でなされます。そこで通貨が発行され、都市銀行が借りる形で市中に紙幣を出しています。日本では日銀が負債と言う形で通貨を発行し、都市銀行に貸し付けて、その借用書を資産とし、バランスシートを形成しています。都市銀行はそれを企業などに貸し付けて借用書を資産としてバランスシートを形成します。借金の連鎖で経済が成り立つわけで、道これを「信用経済」と言う訳です。
政府がやるべき公共投資などのお金は、国債という政府発行通貨を日銀に渡し、法定通貨に変えて、そして事業を行う訳です。俗に言われている「国の借金」とは政府発行通貨の発行残高のことです。

このややこしく判りにくい通貨発行が、デジタル法定通貨を政府発行にしてしまえば単純化されると思います。そして貿易決済も、各国の電子化された決済で、今までの様な船荷証券とか保険証券、信用状といった複雑な取り決めも、デジタル化でパッケージングして単素化出来ると思います。

デジタル通貨も仮想通貨も、その欠点は個人情報がすべて露出されると言う点です。違法取引等は防止しやすくなるかも知れませんが、個人情報の漏えいで各個人がひどい目に合うかも知れません。
突然必要のない物を買わされたとか、自分の知られたくないことが漏れてしまったなど、危険が予想されます。

デジタル法定通貨の研究とは、このような個人情報被害を予測し、対策の有無を検討し、どのような設計ならば安全かを研究することだと思います。基本技術はすでに完成しています。しかし個人情報保護の技術とか、法律の整備等がまだ整っておりません。

この様な状態でフェイスブックが仮想通貨を発行することに、「仮想通貨が不法行為に利用されるのを防ぐ取り組み」が国際的に討議されているわけです。

しかし考えてみれば、現在の法定通貨「円」とは、銀行振り込みと同じものではないでしょうか。そしてそれはまさにデジタル通貨です。ATMによってカードで現金化すればそこで紙幣に変わりますが、そこまでの個人情報は銀行側に取られています。

カードやスマホで買い物をして決済すれば、さらにその個人がどこで何を買ったか、その時間どこに居たかと言う情報まで取られているわけです。インターネットによる通販では、さらに多くの個人情報が取られていることでしょう。

便利なデジタル通貨。しかしそこには未知の危険が隠れているように感じます。アメリカの大統領選挙が、デジタル投票システムなどでトランプ票をバイデン票に付け替えたりと言った混乱に陥り、内戦状態が作られて行くように、デジタル社会は危険に満ちているようです。

投票は紙で行い、集計は手作業で・・の方が不便で時間も掛かるが安全だと言うように、通貨もまた紙幣による買い物で個人情報を守った方が、不便であっても安全なのかも知れませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿