2017年7月14日金曜日

いつまで続く中共・不動産バブル

中共の不動産バブルが続いています。

2014年から2015年の半ばまでは、株式投資にお金が流れて不動産市況は落ち込んでおりましたが、2016年になって株価が下落し始めるとそのお金が再び不動産に戻ってきたわけです。

金融規制のかかっている中共では、株価下落局面では不動産が買われ、不動産の下落局面では株式が買われるという投資行動になると言います。
それに加えて「地方政府の懐事情」があり、小さな市政府などは「土地譲渡収入」が実際、歳入の3分の1前後を占めるということです。
つまりこれが中共・土地バブルの背景らしいですね。

もちろんこれは共産党の介在があってのことで、「バブルがなかなか崩壊しない」という現実を逆に危惧している声もあるそうです。
昨年9月、社会科学院の魯洲研究員が「不動産市場は中共の実体経済を確実に人質に取ってしまった」と論じ、また今年3月には「香港環球経済通信社」の首席経済学者である江濡山氏が「不動産は経済だけでなく政府と民衆をも人質に取った」と訴えております。

このような論調は中共の経済全体に占める不動産業と不動産投資の比重が、あまりにも大きくなりすぎたということを表現しているとか。
昨年の中共のGDPに占める不動産投資額の比率は。何と23・7%(国際通貨基金試算)を上っているということです。
日本の昨年の不動産投資の総額はせいぜい4兆円程度で、GDPの1%にも満たないわけですから、この中共の異常さはよく判りますね。

今年7月9日に関西国際空港に到着した台湾からのLCC「バニラ・エア」のトイレから、布袋に入った数十キロもの大量の金塊が見つかった事件がありました。
中共の情報筋は、日本で相次いでいる金塊密輸事件の背景について「金塊を使い、中国の富裕層が本土外へ資金を逃れさせている」と述べ、「人民元で購入した金の延べ棒を小分けにして運び人に渡す。それを台湾に持ち込み、そこから飛行機や船で近海の石垣島などに渡航、金塊が日本のマーケットへと流入するという流れ」なのだそうです。

そして、日本は消費税が8%あるから金塊が8%を上乗せしても売れる。それで運び屋への支払いや中共・台湾での空港スタッフを買収するといった諸経費を賄うことが可能なのだそうです。

昨年1月から今年3月までに日本各地の税関で摘発された台湾の運び屋は130人で、持ち込もうとした金塊は400キロですが、関係者は「この数字は氷山の一角にすぎない。天津や上海から日本に直接運ぶルートや韓国経由で日本に入るルートもあるし、日本は中共の富裕層の資本逃避の舞台と化しており、福岡などで頻発する金塊強奪事件もこの流れと関係している」と述べております。

上海郊外に5年前に120平方メートルのマンションを住宅ローンを組んで購入した人が、「昨年、不動産市況が回復したのを見計らって8月に売却したら、残高を全部支払ってなお大金が転がり込んできた」と述べています。
どうやら約3・8倍ほどで売れたらしいのです。この人は売却益を頭金に再びローンを組み、上海市内の一等地で280平方メートルの高級マンションを購入したそうですから、このような手口でお金を増やしている人が多いのでしょう。

しかしバブルはバブルです。何年も前から、「中共の不動産バブルはいずれ崩壊する」と指摘され続けております。
ですからうまく転売してお金を膨らませている人達も不安が一杯なのでしょう。共産主義の独裁国家ですから、そのまま持っていたらどうなるか判りません。
そこでお金を何とか安全な外国に持ち出そうと頭を使う訳です。そしてその資本逃避の舞台が日本になったと言う訳でしょう。

北京で働く日本企業駐在員がマンションから追い出されている事実もあるようです。日本の住宅総合メーカーが出資し1990年に開業した北京のマンションで、3年間暮らした日本の企業駐在員が昨年いきなり1年後に退去するように通告されました。その日本の住宅総合メーカーは2年前に撤退したとのこと。

何とか他の場所を確保することは出来たようですが、「日本と同じような環境で、すごく住みやすかったのに…」と駐在員の方は残念がっておられます。

退去の理由として「老朽化した設備を全面改修する」と告げられたそうですが、「分譲の形で売り出すのでは」との見方が広がっているとか。

この不動産バブルは「今がピークだ」という声も聞かれます。共産党政府が今後どのような経済運営を行うか、それによってこの不自然な不動産バブルは終焉するのでしょう。
しかし、それがいつになるかは判りません。不安を一杯抱えながら、中共の不動産バブルはまだ続いております。

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