2015年10月6日火曜日

人工知脳は人類を滅ぼす?

英国の、車いすの天才物理学者・スティーブンホーキング博士が、「現在のAI技術は数年内に兵器利用を実現できる水準にあり、放置すればこの分野の軍拡競争を招き、『ロボット戦争』が起きかねない」との警鐘を発信しております。
「コンピュータの能力は、18か月ごとに2倍になる。そのため、コンピュータが知能を発達させて世界を乗っ取るという危険は現実のものだ」 と述べ、自律型人工知能兵器は、戦争において火薬と核兵器に次ぐ「第3の革命」になると言うわけです。
どうも映画・ターミネーターを連想させるお話ですが、現実はどうなんでしょうか。

ジェイムズ・バラットという人が「人工知能・人類最悪にして最後の発明」という本を書きました。「AIの進化」を、あらゆる角度から徹底的に取材し、『特異点(シンギュラリティー)』の到来がもたらす恐るべき未来を明らかにした」作品と言うことです。(まだ読んでいませんが)

この本によりますと、人工知能が人類最後の発明である理由を、「今後の発明は、全て人工知能が行う。」とのことで、「人工知能は自らを書き換え、知能を急速に進化させ、ついには自分を閉じ込めていたコンピュータの箱『AIボックス』から外に出ようと試みる。」からだそうです。

そして、例として「クリップ・マキシマイザー」という仮想的なシナリオが書かれ、それによると「人工知能にクリップを製造するという目標が組み込まれたとすれば、この目標の遂行を追求しようとするあまり、『まず地球全体を、さらには宇宙空間を次々に、クリップ製造工場に変えはじめる』。」とか、「人工知能が自己の存在に気づき、電源を切られないよう作戦を練り、自らの複製をたくさん散らばらせる。そうしたほうが、目標をより確実に達成できるからだ。そして、もはや人間がコントロールすることはできなくなる。」などと、まさに破滅物SF的な文章で、現実にある革新技術にもとづいて悲観的未来を語ります。
しかも、このようになる年は2045年(30年後)だそうで、アメリカでは2045年問題として噂になっているとか。

さすがに破滅の未来では自分も耐えられなくなったらしく、こうした問題に対処するため、「フレンドリーAI」という概念が必要だと話を展開させています。「人間の価値観を理解し、他者への共感を備えた人工知能」がフレンドリーAIだそうです。

現実と妄想を掛け合わせた評論本のようですが、結構説得力があるみたいですね。日本では、人工知能学会倫理委員会において研究のあり方が昔から議論されていると言うことですが、この著作が話題になってから、世界中で議論が熱を帯びてきたそうですね。

さて、その現実世界ですが、2001年の9.11事件以降に始まった「テロとの戦争」で、画像技術が進み。スーパーコンピューターが駆使されて人間の顔の認識まで出来るようになりました。

画像圧縮の技術が進化して出来てきたものですが、この画像圧縮のアルゴリズム設計にスーパーコンピューターを用いてより良きものにしようとしていたところ、圧縮の方程式がスパコンから提示されたそうです。
スパコンは、非常に長い方程式(数ページにわたる方程式だと言うことです)を作り出してきたそうです。

問題は、この方程式の意味が判る人間がこの世に一人もいないことだそうです。この方程式を多くの数学者に見せても、誰もその意味が解らなかったそうです。

しかし、この方程式のプログラムをコンピュータに実装し画像圧縮を掛けたところ、ファイルは非常に小さくなり、しかも元に戻すと、非常にきれいな再現が出来たとか。
つまり、画像圧縮のプログラムは、すでに人間の手を離れて人間が関与出来ない領域でなされていると言うことです。最近「冥王星」の鮮明な写真などがマスコミに登場しましたが、これなど人間ではないものが作ったアルゴリズムによって我々が見ていることになります。

問題は、このようにコンピュータが作り出すプログラムを、人間が理解出来なくなっているという点だそうです。人間の知らないところで勝手にプログラムを作らせないようにしないと、人類に対して何をするか判りません。つまり、ターミネーターの様な恐怖が現実になると言う・・・

ここで注目したいのは、コンピューターが織りなす人工知能は、人間の脳の左脳部分に当たると言うことです。
ですから、数学的合理性とか、物理的法則を複雑に組み合わせて目的に合わせることなどは得意でしょう。そしてコンピューターが人間を超えるのは、この部分だけだと思います。

そこに人間が左脳でぶつかれば、上記のような恐怖が起こるでしょうが、人間にはもう一つ、右脳があります。そしてこの右と左の脳を継ぐ素晴らしいバスが脳梁と言う部分です。人格とは、この脳梁によって右と左の脳がバランスしている精神のことを言うのではないでしょうか。

左脳は分析脳であり、右脳は統合脳だと言います。
TPP交渉では、やっと基本がまとまったようですが、この交渉で甘利氏が常に、「全体のことを考えてまとまるように妥協すべきだ」と述べていたのは、あまりにも自国の利益を主張する国が多かったからでしょう。利益追求は左脳の働きです。それに対して、「まとまるように考えろ!」という甘利氏の怒りは右脳から発信しています。

日本人は右脳を使って行動できるのですが、欧米と中共などは左脳が強すぎるようですね。(だから謀略を駆使するのでしょうね)
人工知能で人類が滅びるという妄想は、「左脳こそ人類の英知だ」と思っている文明から出てきているのではないでしょうか。

修行して、右脳や脳梁を自由に駆使出来るようになった日本人は、どんなにコンピューターが複雑なアルゴリズムで人間を凌駕しても、それを単なる機械として扱うことが出来ると思います。

コンピューターに負けるのは、ようするに左脳重視の人間だけですよね・・・

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