M9.0で、しかも広範囲に渡った東北・関東大震災。まだ余震が続いていますが、超巨大地震と、この強い余震によって、東北地方の地盤が不安定化、脆弱(ぜいじゃく)化し、「深層崩壊」の発生が懸念されるそうです。
揺れたのは東北だけでなく、関東も東京も揺れましたから同じことが起きているはずです。
表面はコンクリートで固め、アスファルトの道路、太い橋脚の首都高速と一見して頑丈そうですが、東京も元は山の中だったはず。深層崩壊であれば表面とは関係ないのでは?
東北地方は、山に雨が降ればそれは地下に浸み込み、それが崩壊して、かろうじて静止している岩の隙間の土砂を静かに流して、応力の変化に耐え切れなくなった岩盤が割れ、それを引き金として大規模な崩壊が生じる危険性があるそうです。
ですから、今年の梅雨時、あるいは夏から秋にかけての台風シーズンは、途方も無い山崩れとか崖崩れ、そして鉄砲水などの危険があるということです。
しかし、それが東京に無いとどうして言えるのでしょうか?
厚い関東ローム層に覆われているとは言え、幾つもの山があることは東北と同じ。その深層がどうなっているかは知る由もありません。コンクリートやアスファルトに覆われてはいても、水は流れてどこかに浸み込みます。すべてが排水路に入って下水管を通って海に流れるわけではないでしょう。
6~7月に掛けての雨の降りかた、そして秋口の台風の進路など、どう影響するかわかりません。
急斜面に積もっているローム層が地すべりを起し、摩擦杭をへし折ってビルごと崩壊することだってあるかもしれません。
耐震構造と言っても、だいたい関東大震災レベルの震度。そして横揺れでの評価しかしていないのではないでしょうか。
地下に突き刺すパイルが、予算の関係で岩盤(支持層)まで届くことも無く、摩擦杭でいいとするのは上部の加重に対して沈下しないという意味でしかなく、地盤そのものがすべりを生じることは想定外。
そのさらに下側の深層で、崩壊が起きることなど考えていたら建築などできるわけはありません。
土砂崩れの大半は、降雨が引き金となるそうです。厚さ2メートル程度の表土層が雨でゆるんで崩れるものが表層崩壊。しかし深層崩壊は、梅雨や台風などの大雨で、表土層下の岩盤深部に大量の水がたまり、高まった水圧が斜面を一気に破壊するという恐ろしいもの。
昨年は鹿児島県・南大隅町で長雨のため高台の斜面が深さ50メートルまで崩壊しています。
また、一昨年は台湾の高尾でゆるい泥岩層が深さ80メートルまで崩壊し、大きな被害を出しています。
深層崩壊発生の条件は、大量の雨と、長年の風化でもろくなり、水を通しやすくなった岩盤にあるというのが土木学会の結論。
この条件が、3月11日の地震で東京の深層であちこちに出来ているかも知れません。
東京でこのような崩壊が起きれば、その上に何がのっているのかわかりません。渋滞中の高速道路かも知れませんし、通勤時間のラッシュの電車かも知れません。
どこで生じても、大きな被害は免れないのではないでしょうか?そして東京で生活する都民には、逃げ場はないのですよ。
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