2015年4月2日木曜日

プーチン大統領への攻撃

このところ旧自由世界のプーチン批判が強まっています。アメリカ・オバマ政権はウラジーミル・プーチン大統領(62歳)の振る舞いを東西冷戦下での旧ソ連の行動様式に重ね合わせる見方が広がっているということです。

安倍政権はこのところこの問題に対しては黙っています。まあ黙っていた方が良いでしょう。
欧米メディアはウクライナ問題から必死のプーチンつぶしを画策していましたが。ついに昔の東西冷戦を持ち出すようになってきたのでしょうか。

ソビエト連邦が官僚主義での行き詰まりで崩壊し、その隙にユダヤ資本がロシアの権益を狙って暗躍していたのはついこのあいだのことでした。
エリツィン政権の時代にこの権益奪取は欧米が成功したかに見えましたが、そこに立ちはだかったのがウラジーミル・プーチン氏でした。

彼の強引な権益奪還策は、欧米に阿る(おもねる)ジャーナリストを暗殺し、ロンドンに居た政敵を毒殺し、ロシア権益を欧米に売っていた経営者を投獄することでした。
そして石油・ガス権益をプーチン氏の掌中に収め、政治資金として利用しながら彼の政権を盤石なものにして行ったわけです。

法により任期が切れた時にも、欧米に阿るであろう一番危険な人物を大統領に据え、自分は首相の座に居て監視を続けました。
そしてその大統領の任期が終わると、再び大統領の座に戻り、決定的に欧米・権益主義からロシアを守ってきたのです。

プーチン氏は元KGBの腕利きスパイだったそうで、欧米が打ってくる手段を知り抜いていました。だから欧米はどうすることもできなかったのです。
ソチでの冬季オリンピックが終了するまでは・・・

ソチでの冬季オリンピックが終わるとすぐに、ウクライナ問題が発生しました。欧米・権益主義の攻撃が始まったのです。
もちろんプーチン大統領はクリミヤ半島から黒海における軍事的プレゼンスを確保しようとしていることは欧米にとっても周知の事実だったわけです。
ロシアとウクライナは、日本でいえば日本と韓国の関係のようなものかもしれませんね。地理的条件は変えられませんし、そこで反ロシアのようなことばかりやっている地域と思えば良いでしょう。

ウクライナにはロシア系の人々も住んでいました。そこにロシアから多くの移民を送り込み、ウクライナをロシアに組み込もうとしたようです。しかしこれはウクライナの民族意識を刺激します。そこを欧米の権益主義に利用されたようです。

人権、自由、迫害、独裁者などの言葉が躍り、欧米マスコミは一斉にプーチン攻撃を始めました。しかしロシア国内では圧倒的にプーチン支持であることを忘れてはいけません。都市部の欧米文化に親しんだ人達は反プーチンになっているようで、そこがマスコミにクローズアップして伝えられていますが、ロシア全体から見れば大したことはないはずです。

アメリカのシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」のロシア研究部長、レオン・アーロン氏は、対ロ冷戦について、「イエス・アンド・ノー」と答えたそうです。
その意味は、「ロシアの歴史的な使命を賛美するような新たな思想をプーチン氏が創造しようとしているのは明らかだが、旧ソ連が持っていた『資本主義と共産主義のどちらかが勝たなければならない』というような思想体系になるようなものではない」と言うもの。(ノーの部分)

この「歴史的な使命を賛美する思想」が何を指しているのか判りませんが、アーロン氏の次の言葉、「プーチン氏が権力の座にある限り、西側との対立を求め続けることだ。世界、少なくとも欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力に直面し、封じ込めようとしているという意味で、われわれが冷戦で立ち向かったものとの類似点がある」(イエスの部分)によって、欧米権益主義が、それに立ち向かっているプーチン大統領だけを狙っていることが、はっきり感じ取れます。

そしてプーチン大統領のやっている、「権益主義者にとっての欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力」に、暗に同調する国もあることを示しているようにも聞こえます。

権益主義とは、欧州に残る貴族主義であり、アメリカは大戦後この権益主義にウォール街で利息を付け続けて来たわけです。
そして財閥と言う形でアメリカにも貴族主義は根付き、自由資本主義の御旗の元で欧米の権益による世界支配の構図が出来上がってきたのです。
それが出来たのは、石油本位制度というドル支配体制があったからです。このエネルギー権益は今も歴然と存在しています。どうやら日本のメタンハイドレートなどの新エネルギー開発がいまいちなのは、ここからくる圧力であることも確かなようです。(原子力も石油利権の一部と考えてください)

しかし、産業革命の末期にある現在、その金利はまだ付け続けることが可能なのでしょうか。
プーチン大統領の、ロシアの権益死守の体制が「欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力」のようには見えません。

金融界が今後どのような策に出て来るかは判りませんが、少なくともこれから世界的デフレの時代になるはずです。それは権益主義にとって都合がいいからです。しかし世界の一般国民は耐えられるでしょうか。

安倍政権は「瑞穂の国の資本主義」という言葉を使いました。八紘一宇のことでしょうが、これはなかなか権益主義には判らないでしょう。
経済学会は、これからミクロ経済とマクロ経済の戦いとなり、国家主権である通貨発行権とインターネット取引きの理論合戦になるような予感がします。

この決着がつくまで、プーチン大統領は大統領で居られるでしょうか。落としどころは見えているように感じているのですけど・・・

2015年4月1日水曜日

認めよ、消費増税の失敗を・財務省

平成26年10~12月期のGDPが伸び悩み、2014年の家計調査では、物価変動を除いたベースで前年比3・2%減となってしまいました。(総務省調査)
東日本大震災で減少した11年以来、3年ぶりのマイナスとなった理由は消費税増税にあったようです。
1世帯当たりの消費支出は1カ月平均25万1481円で、円安に伴う大幅な物価上昇があったにしても、最大の原因はあの4月に行われた消費税8%への増税が影響したとしか思えません。

消費税は景気の足を引っ張り、深刻なデフレを引き起こしてしまう課税方式であることは間違い有りません。インフレ抑制には効果があるかも知れませんが、デフレ期においてはまさに亡国の危機になりえます。

3月30日、米コロンビア大教授でノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・E・スティグリッツ博士が、国連本部で開かれた討論イベントで「昨年4月の日本の消費税増税は『時期尚早』だった」と述べ、「炭素税にすべきだった」と述べました。

スティグリッツ氏はローレンス・サマーズ氏と共に経済学界にそびえる2本柱と言われている人で、IMFの経済政策を厳しく批判している人物としても有名です。
2002年に、「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」という本を書き、グローバリゼーションの必要性は認めながらもマネタリズムの風潮には反対の立場(マクロ経済の立場)を取っております。(だから反IMFなのですね)

「銀行が私利を追求しても、それは社会の幸福にはつながらない」と公言し、「金融市場にシステムの機能を損なうような取引を控えさせ、世界的危機が貧しい国に与えた打撃に対して償う資金源とするために、金融市場に新しい税を導入するべきだ」という意見の持ち主です。

そして「日本は世界第二位の経済大国であり、グローバリゼーションを良くするための責任を負っている。日本は経済発展を実現した国でもあり、世界の平和や貧困撲滅に前向きに取り組んできた国である。日本に対しては、今後も途上国援助に積極的に関与してもらいたい」と、日本の八紘一宇を認め、そしてそれに期待をしている学者でもあります。

2013年3月に安倍晋三首相と会談し、その後の記者会見で「アベノミクス」の副作用が懸念されていることについて、「実施しないほうが将来的なリスクになる」と述べました。
そして経済を好転させるために財政赤字を紙幣増刷によってファイナンスするように提言した人でもあります。その後、日銀が国債を買い取り紙幣増刷に回ったことは周知のとおりです。

日米間で行われているTPPについて、スティグリッツ氏は「この実際の貿易協定の批准書は、何百ページとあり、そんな協定は『自由』貿易協定ではなく『管理』貿易協定である。」と述べ、反対の立場にあるようです。
「TPPのすべてが明らかになっているわけではないが、医療や知財についても議論されており、イノベーションが失われる危険性もはらんでいる。」とか、「参加国はタバコに関する規制を課すことができなくなる。そうなると、アヘン戦争のようなできごとの二の舞になりかねない。」など、かなり過激な発言もしておられます。

さらにアベノミクスについて、「安倍総理が掲げる三本の矢のなかでもっとも難しい三本目の矢の成長戦略について、持続可能な成長を促すためにいかにお金を使うか、これは非常に難しい問題である。」と述べ、「これまで人が働くコストを省くことに焦点を合わせたイノベーションが行われてきた。さらに失業者を増加させることにつながるイノベーションを追求していていいのか。」として、これまでの合理化追及の経済発展を批判する発言もしております。

このスティグリッツ氏が、「炭素税にすべきだった」と述べた理由は、「(炭素税なら)炭素排出削減への投資を刺激し、最終的には需要増につながっていただろう」と、その経済波及効果を述べております。
同じ税金でも、景気を損ねる消費税など止めて、景気を刺激する「炭素税」にすべきだったと言うことですね。

炭素税はエネルギーにかかる税金で、ガソリン、電気、ガスの料金が上がることを意味します。しかし重量制ですから、使う量を少なくすればそれだけ税金も少なくなると言うことで、超低燃費自動車への乗り換えとか、照明のLEDへの切り替え、古い空調から省エネタイプの新しい空調への買い替えなどが生じて、経済効果が出て来るという発想です。

微妙なのが電気で、現在の火力による発電を続ければ電気代は現在の3倍ほどになり、原発が再稼働するたびに掛かる炭素税が安くなっていけば、原発再開に明るい政策となっていたと思います。
原発再稼働が進むほどにエネルギー代が目に見えて安くなれば、訳も分からず原発に反対している人達の考え方も変わってくるのではないでしょうか。

また、地熱を利用した住宅などの付加価値も上がっていくはずです。このような住宅はジオパワーシステムという住宅で、最近静かな普及が始まっているようですが、もっと普及すればかなりの経済効果が出て来るはずです。
http://www.geo-power.co.jp/contents/geopower.html

このジオパワーシステムは、コストが300万~400万円ほど掛かるそうです。このシステム導入でどのくらい光熱費が節約出来るのかは判りませんが、炭素税が重ければ重いほど需要が増してくるのは間違いがないでしょう。

重くても避けようのない消費税に比べて、炭素税は重ければ対策があり、その対策には経済効果があり、経済効果が上がれば税収は増えるというわけです。

スティグリッツ氏の考える「炭素税」を、これから2年後の消費税引き上げに対して、財務省を巻き込む議論に発展させて行きたいですね。

2015年3月31日火曜日

崩壊する疑似大国・中共

中華人民共和国は建国66年目です。その中共で今年9月に戦後70周年の記念行事を行うと言うことで、米国や英国、オーストラリア、ニュージーランドなどを招待すると、耿雁生報道官が発表しました。
王毅外相は「すべての関係国家の指導者、国際機関を招待する。誰であれ誠意を持って来るのならば歓迎する」などと述べておりますが、これが崩壊寸前の国家・中共のプロパガンダであることは確かなようです。安倍首相を招待するのかどうかなどが、マスコミの話題になっているようですが、招待されたとしても行くべきではないでしょうね。

終戦時にまだ出来ていなかった中華人民共和国です。そこが戦後70周年記念とは?・・侵略者・日本と戦っていたと言いたいようですが、それには台湾が反発しました。「戦っていたのは蒋介石の中華民国だ」と言う訳です。その通りなんですが、そうしたら「中華人民共和国の貢献も認めるべきだ」などと訳の分からぬことを言いだす中共でした。

当時は八路軍として、主に謀略戦で戦っていたのでしょうが、盧溝橋事件とか通州事件の背後で蠢き、そして二次大戦終了時の「南京大虐殺」などの虚偽を押し付けたり、およそ戦争とは思えないような、その働きのおぞましさには目を背けたくなります。

経済的に日本を利用したい中共は、安倍政権を潰したくてさまざまな謀略を仕掛けてきます。「歴史認識に関する問題が日中関係を困惑させている」とか、「日本の政権を握る者は、まずは胸に手を当てて自問せよ」とか、「歴史の負担を背負い続けるのか、過去を断固として断ち切るのか。最後は日本が自分で選択しなければならない」などと、必死の叫びを続けております。
それだけ困窮しているのでしょう。

評論家の宮崎正弘氏によりますと、紫禁城の西側にある「中南海地区(共産党幹部が住んでいる地区)」の警察のトップが最近変わって、習主席の身内(お声がかり)になったそうです。
また、北京管区の人民解放軍上層部も、すべて習主席の関係者に変えられたと言うことです。
宮崎氏は、「これは間違いなくクーデター対策だ」と述べております。

人民解放軍は、夕方5時になると、集まって茅台(マオタイ)酒を飲んで宴会をしていたそうです。彼等にとってそれが一番の楽しみだったとか。習政権はそれを禁止し、制服組(軍人)のトップ2名を反腐敗運動の見せしめとしました。これが反発を生んで、習政権は人民解放軍を掌握出来ておりません。

ここに上海閥(江沢民派)がつけ入ります。石油利権などを掌中に収めた習政権ですが、通信部門と金融部門は依然として上海閥に抑えられたままです。
通信部門は、全国に7億9000万台のインターネットユーザを抱え、9億台の携帯・スマホのユーザを持つ利権となっているそうです。

世界第二の経済を誇る中共の実態は、外国資本に逃げられ現在残っている資本供給国はドイツと韓国だけです。GDPも現実は4.4%くらいだろうと言われております。
8500万戸も作られたマンションはほとんどが空き部屋で、やがてこの付けが回ってきますし、外国に投資した油田などの未完成のもの、ゴーストタウンもかなりあるようです。ニカラグア運河も起工式を行ってからはほとんど進展がないとか。

異常に高い人民元によって、輸出不振と外国企業の引き上げ、そして過剰在庫はダンピング輸出されます。鉄鋼のダンピング輸出ではWTOの訴訟に発展しています。
1日に500件程度の山猫ストがあり、警察なども賃上げストをしていることが、写メールによって香港に送られ報道機関から発表されているそうです。

さらに共産党幹部の資金持ち出し逃亡が、中共政府発表で8000人居るそうで、持ち逃げされた金額は中共政府発表では3000億ドルくらいとしていました。
ところがこれをアメリカ・CIAが打ち消します。持ち逃げされている金額は3兆7900億ドルに達しているというのがCIAの発表でした。

中共の外貨準備高は4兆3000億ドルくらいだということですから、ほとんどは持ち逃げされてしまっているようですね。

その中共が、日本のADB(アジア開発銀行)に対抗して、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立計画を発表しました。
これは明らかにドル支配体制への挑戦で、ドルを弱くしたい欧州はそれに乗っかります。特に英国(ザ・シティ)は率先して加盟を表明しました。英国を宗主国とする各国も同調するでしょう。
しかし、中共はドル経済圏の中にある国家です。人民元は国内通貨に過ぎないことがAIIBによって証明されてしまいました。AIIBの資本金はドル建てなのです。
そしてもちろん、日本はこれに加盟すべきではありません。(参加するべきだと親中保守派が騒いでいますが・・)

こうして中共はアメリカに反旗を翻し始めました。ニカラグアの運河計画、そしてこのAIIBです。
アメリカの世論は、今、反中になり始めました。その反動で親日派が少しづつ動けるようになって来たようです。

習近平政権は、あとどのくらい中共経済の崩壊を食い止め続けられるでしょうか。北京と上海の間に国境線が出来るのか、それとも利権を争って内戦になって行くのでしょうか・・・・

2015年3月29日日曜日

憲法改正を求める国民会議

3月19日に、衆議院議員会館にて「美しい日本の憲法をつくる国民の会」平成27年度総会が開催されました。
与野党の国会議員54名、保守系知識人と地方の代表者など約500名が出席されたそうです。

この「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、平成26年(昨年)の10月1日に設立されたもので、櫻井よしこ氏、田久保忠衛氏、三好達氏の3名が共同代表で、発起人として青山繁晴氏、小川榮太郎氏、神津カンナ氏、すぎやまこういち氏、船村徹氏、百田尚樹氏などが入っております。
幹事長は百地章氏で、事務総長が神道政治連盟幹事長の打田文博氏となっております。

その会で、平成27年度の運動方針を「平成28年7月の参議院選挙で、同時に憲法改正の国民投票を実現」することを目指すそうです。

憲法改正を党紀に掲げながら、国際社会の中で「敗戦国・日本」を続けなければならくて実現に至らなかった自民党でした。
しかし、祖父そして父の意志を継ぐように登場した「安倍晋三・内閣」は、この政権で憲法改正を成し遂げるという強い意志を持っています。おそらくこの国民会議は、その安倍首相をバックアップする・・いや、挫折させないようにする国民の意志を結集することが目的のようです。
一応バナーも貼っておきます。
<a href="https://kenpou1000.org/" target="_blank"><img src="https://kenpou1000.org/images/bnr_large.jpg" alt="憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク 美しい日本の憲法をつくる国民の会"/></a>

現在使われている「日本国憲法」が、1947年(昭和22年)5月3日に制定されたことは、5月3日を祝日として休んでいる日本人ならご存知のはずです。
そしてこの年は、敗戦国日本は主権を失い連合軍の占領管理下にあったことも事実です。占領中はその被占領国の法律を変更してはならない・・・と言うのが国際法の取り決めです。連合国最高司令官マッカーサー元帥はもちろんそのことを知っています。

しかし、1945年10月2日付の「GHQ一般命令4号」で、「各層の日本人に彼らの敗北と戦争に関する罪、現在と将来の日本の苦難と窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の目的を周知徹底せしめること」と言う、ウォー・ギルド・インホメーション・プログラム(WGIP)が始まっていました。

この目的達成には、日本の基本法(憲法)に罪悪感を刷り込めばいいことをマッカーサーは知っていましたから、日本政府を使って、あたかも日本人が望んで決めた憲法のような細工をしたわけです。

東京裁判、日本国憲法、公職追放と左翼知識人の登用、大東亜戦争(白人の植民地支配を糺す戦争)という概念を払拭し太平洋戦争とするための焚書などが、このWGIPの具体的な仕事でした。

「白人に二度と歯向かえないようにする」目的がこの憲法で、絶対に変えられないようにする部分が第96条であることは、WGIPという工作を知った日本国民なら誰でも知っていることです。

サンフランシスコ条約が締結された後、この占領憲法は自動破棄となるわけですが、これを「いつまでも有効」としたのは、登用されたあと、うまく立ち回った左翼知識人達でした。
教育者の中にうまく紛れ込み、子供たちに「日本国憲法」の正当性を吹聴してきたのが、結果的に「日教組」なる圧力集団になったのです。
今でも元教育者だった老人が、私の周りで「九条の会」として活躍中で、郵便受けにはしょっちゅうそのパンフレットが投げ込まれています。

このような、WGIPの工作の結果を見ながら黙って我慢していた国民が、やっと声を上げ始めたようです。それが「美しい日本の憲法をつくる国民の会」であろうと考えます。
まだ6割以上の日本国民はWGIPの作り出した「平和」(見えない檻の中の平和)に浸っていますが、彼らにも、もうその平和は崩れ去っていることを知らせる必要があるわけです。

憲法改正は、このWGIPの存在を国民に知らしめることに重点を置くべきです。いたづらに9条改正に走ると6割くらいの国民がアノミー状態になってしまうかも知れませんから。
それには、96条の改正だけを焦点にして、「9条の会」などの反対を抑え込む形で、憲法改正に必要な一連の段取りをやってみることです。

国会議員の三分の二以上の賛成と、国民投票での過半数の賛成をもって、国会議員の二分の一以上の賛成と、国民投票での過半数の賛成で改正出来るようにしておくことです。
その上で、憲法草案の吟味などを行うことが必要でしょう。それまでは、憲法解釈の極端な変更で国防対策をするべきではないでしょうか。

日本国憲法の第96条は、WGIPの発動によって絶対憲法改正が出来ない指標として三分の二条項とされたものです。
ですからこのマッカーサーの頑強な鍵を、正規の手法で開けることこそ、「戦後体制の終わり」を象徴するものだと思います。
そのためには、サヨクの思惑を利用するしかないでしょう。そのためにサヨクの苛立つ解釈変更を立て続けに行い、憲法を変更してもっと確実な平和憲法に持っていこうと言う動機づけを誘導するのです。

96条だけが改正されれば、その後はサヨクと保守系の論客が競って改正論をぶつけ合い、保守系が勝てば良いだけです。サヨク・マスコミのバリアはありますが、そんなことで負けるようでは日本の存続は無理ということですよ。

議会の半数を賛成されば良いのです。現実味が出てきます。保守論壇にはますます頑張ってほしいですね。

2015年3月27日金曜日

マレーシアの「新幹線」

マレーシアの首都クアラルンプールと隣国シンガポールを約1時間半で結ぶ高速鉄道(全長約350キロ)の建設計画をマレーシアは持っています。

当然ながら中共の新幹線と日本の新幹線が受注合戦を行うことになります。日本の新幹線は「安全性能と運用(教育も含め)」を売りとし、中共は「世界最高スピードと価格の安さ」を売りにしております。

中共が発表している世界の高速鉄道スピードランキングでは・・・
1) トップは中共の韶関(広東省)-耒陽西(湖南省)間の和諧号24号で、時速316.6キロ。
2) 次は中共の衡陽(湖南省)-韶関(広東省)間のG1011号で、時速313.4キロ。
3) 次は中共の広州南(広東省)-長沙南(湖南省)間のG66号で、時速309.5キロ。
と、このようにして6位までが中共であることを誇示しています。

そしてフランス、スペインの高速鉄道が続きますが、時速300キロ前後の速度を記録していて、13位に日本の東北新幹線、「はやぶさ4号、5号」の大宮-仙台間で、時速263.4キロと続いたそうです。
そして広島-小倉間の「のぞみ1号、95号」が時速256キロ、岡山-広島間の「のぞみ53号」の時速255.7キロ、新横浜-名古屋間の「のぞみ301号」で、時速246.6キロと言うわけです。

しかし日本は2015年になってから、時速300キロの営業運転も始まっています。山陽新幹線を走る500系新幹線「こだま」がそうですが、大陸と違って日本国内ではスピードはあまり評価されません。

中共のマスコミは、「中共の鉄道は圧倒的な速さを誇っている」と報道しております。しかし新幹線はスポーツではありません。早ければいいというものでもないのです。
2011年、中共・浙江省を走る高速鉄道で多数の死傷者が出る大事故が発生しています。この事故では事故後の対応のまずさも露呈しました。

マレーシアのマスコミは「(日本の)新幹線は高い安全性が売りで、50年間、運行中の事故による死者は1人も出ていない」として高い安全性を称えました。
そして、マレーシアの高速鉄道計画実現に向けて、「日本政府は、技術担当者や運転士の訓練を含めた支援の提供に積極的であり、クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道の成功がもたらす2つの国の変化は、まさに過去50年で日本で起きたことそのものと同じになるだろう」と述べております。
さらに「都市間の移動時間を短くすることは、景観のみならず、政治や経済、社会状況などを一変させる。マレーシア政府の20年までに高所得国の仲間入りをさせるという野望の実現に近づく」と、マレーシアがこれから進む「豊かさへの道」を、高速鉄道に託しているような言い方です。

ここまで見ると、マレーシアはすでに日本の新幹線を買う気持ちなのではないかとも思えますが、陸続きの国は国境に於いて中共の新幹線と相互乗り入れする必要もあるわけで、日本側にとってやりにくい問題も出ているようです。

高速鉄道による経済発展への期待は、東南アジア全体にある期待でもあります。タイ暫定政権のプラユット首相は、「わが国に高速鉄道ネットワークが出来れば、低所得者を含む国民の生活が豊かになる」と述べ、2月末のテレビ演説で「今年中に具体的な進展」を目指すと表明してしまいました。
タイ王国が混乱に陥ったのも、貧困が撲滅できなかったからだ・・と言う思いがあるのでしょう。来日して安倍首相と会談し、関西経済連合会などとの懇談のため、東海道新幹線「のぞみ」の最新車両N700Aで移動し大阪に着いたあと、「(新幹線は)素晴らしい」と感想を述べました。
プラユット氏は中共で高速鉄道を利用した経験もあり、「乗り比べ」で新幹線の快適さや安全性を実感したようです。

先進国の英国では、ロンドンと主要都市間を結ぶ高速鉄道網が整備されていますが、車両製造を日立製作所が受注しています。その最初の車両が3月12日、英南部サウサンプトン港に陸揚げされ、これから試験運転がされるそうです。
エコノミスト誌(英国のマスコミ)は、「日本は高速鉄道の製造・運行面で世界的なリーダーである」として「日本の新幹線は模範として取り上げられ、英政府はその技術を習得したいと願っている」と述べています。

先進国のアメリカでも、サンフランシスコとロサンゼルスの間の高速鉄道計画が動き出し、その起工式が1月にカリフォルニア州フレズノで行われました。2029年までに完成する予定だそうですが、まだ車両や運行システムの入札はこれからで、日本や中共、欧州諸国などによる激しい受注競争が繰り広げられると思われます。
カリフォルニア州は地震多発地帯であり、中共のマスコミは「(発注者側は)価格面ではなく、安全性を重視する。楽観は出来ない」と述べております。

我が国の新幹線を売り込むとき、競争相手が中共の場合は、「運行の採算ベースの計算では、共産主義国家と自由主義国家では異なってくると思います。日本の採算ベース算出には、ビジネスだけでなく地方の特色を生かした観光資源の開発も念頭にあります。それをどのようにアピールしていくか、そこまで踏み込みます。」と言うのはいかがでしょうか。

これから開業される北海道新幹線の広報映像のURLを以下に挙げます。
https://www.youtube.com/watch?v=RrVwNeGQ7xc&feature=youtu.be
まだ採算がとれるかどうかが判らない北海道新幹線です。開業は今年の暮れ・・・皆さんはこの広報を見て北海道に行きたくなるでしょうか・・・行きたくなれば、この広報は成功ですね。

観光だけでなく、新幹線の消耗部品工場は現地に作り、その地の人を雇用するなど、「高くても、結局お得」という売り込みを掛ける対策も必要だと思うのですが・・・。

2015年3月26日木曜日

AIIBとADB

AIIBは中共主導で設立されるアジアインフラ投資銀行のこと、ADBは日本や米国が主導するアジア開発銀行のこと。

そのAIIBに英国が参加を表明しました。中共は喜び、アメリカはショックを受けます。
すぐにオバマ政権は英国を強く批判しました。日米主導の世界銀行やアジア開発銀行の対抗馬としてAIIBの影響力が強まるからです。
オバマ政権は、「事実上、米国に相談はなかった」として「中共への融和的な態度が続く傾向を警戒している。新しい強国と関係を持つうえで最善の方法とはいえない」などと言っております。

しかしそのことを考慮したからこその参加表明で、いわばオバマ・アメリカを牽制しているわけです。英国はアメリカへの弁解として、「AIIBで、中共が拒否権を持たないとしたこと」を挙げています。
今までは、AIIBをめぐって中共が拒否権を持ち、中共の影響力拡大の手段として運営されるのではないかと言う懸念が出ていました。それは払拭されたと言うことでしょう。

今月に入って、英仏独伊が相次いでAIIBへの参加を決めた理由は、中共が拒否権を握らない方針を示したことがあったもようだと言うことです。
本当かどうかは判りません。約束など常に保護にしている華人なのですからね。
AIIBの運営構造はまだ協議中だそうです。中共は拒否権は持たなくても、主要な意思決定に関して有利な立場を確保しようとしているようです。

AIIBに参加を表明した国家は、現在31か国です。ADBへの参加国は48か国でまだ少し多いですが、今後英連邦の各国が参加を表明することも考えられます。カナダとかオーストラリア、ニュージーランドも参加するかもしれません。台湾も参加表明をしました。

アメリカは、表向きには「AIIBが嫌いなわけではない」と述べています。しかしAIIBへの参加はこのままでは難しいのでしょうか・・・。
「AIIBはインフラなどへの開発支援の際に、環境への悪影響の防止などの基準を設ける必要がある」として、環境問題などで高い基準を設けるよう主張しました。
このまま中共主導でインフラ整備をやられたら、世界中が北京のような公害都市になってしまうと言うわけです。

しかし中共はAIIBの融資基準などを世銀やアジア開銀より緩やかにするように働きかけるつもりのようです。そして「世銀やアジア開銀が、環境への影響の査定などに長い時間をかけること」に対する途上国の不満を利用して、「スピード感ある融資の決定」を売りにするようです。

英国の参加表明を受けて、アメリカも参加を考慮するでしょう。だから「環境への悪影響の防止」などの条件を言い始めたとも考えられます。ADBとAIIBと、その両方に参加を表明する可能性があります。
日本は参加すべきではないでしょうね。日本の融資は「八紘一宇」というマクロ経済の立場からのものであり、AIIBは恐らく「金融投資」というミクロ経済の立場からの融資になるはずです。

習政権は経済破綻の崖っぷちにあり、「反腐敗運動」を急激に進めたことから官僚のサボタージュに合っています。
武力を使って強権的に官僚を攻めたてれば、政府機能はマヒしてしまうでしょうし、緩めれば反腐敗運動は骨抜きになって、さらなる腐敗が進むだけでしょう。
おそらくこのことを知っていて、英国などは参加を決めたように思います。つまりAIIBの資金に中共の資金を使い、その後に中共の内紛を起こさせる計画にも見えるのです。アメリカもこのような計画が見えてくれば参加表明はやぶさかでないはずです。

習の中共が今後さらに経済的に追い詰められたら、必ず人民解放軍の「日本攻め」を画策するでしょう。対する日本は「その戦いを回避不能だろう」と思っているはずです。
極東で戦争が起きても欧州は関係ないことと、それゆえに中共の足が引っ張られ、その隙にAIIBの実効支配を奪取できると考えているのかも知れません。

習主席は、今年1月から2月にかけての大学教育のあり方に関する論争で、「西側の価値観を伝播(でんぱ)させるようなテキストが大学教育で使用されることは絶対許せない」と語っております。
彼の言う「西洋の価値観」とは何でしょうか? 国際海洋法などで尖閣奪取がうまく行かない苛つきから出た発言のようですが、金融価値観も西洋のものであることをお忘れなきように願いたいですね。

西洋の価値観をご都合主義で取捨選択しても、それは欧米には通用しません。これがAIIBでどのように表面化するでしょうか?
楽しみでもありますね・・・・

2015年3月25日水曜日

リー・クアンユー氏、死去

シンガポール共和国・建国の父と言われたリー・クアンユー氏が、3月23日に死去しました。世界を相手に活躍した気骨ある政治家でした。(享年91歳)

シンガポールはマレー半島南端、赤道の137km北に位置し、東南アジアのほぼ中心となります。現在は世界第4位の金融センター及び世界最繁忙な5港の港湾のうちの1港となり、世界有数の商業の中枢の都市国家です。

シンガポールとその近傍の島々には、2世紀から定住が始まり、それ以降は一連の現地の帝国に属してきました。
1819年に、マレー半島南部を本拠とする港市国家群の海上帝国・ジョホール帝国(1528年成立)の属すようになりました。このジョホール王国は現在もイスラム教国家として、世襲のスルタンによって王位が継承されています。

19世紀半ばに、リー氏の曾祖父が中国からシンガポールに移住します。祖父の代から英語の教育を受け、リー氏の父は外資系企業に勤務していたそうです。
クアンユー一族はすべてが英語教育を受けた知識人であり、家族は英語とマレー語で会話をしていたということです。

1942年に日本がシンガポールを占領し英国軍を追い出します。中国大陸で起きていた日中戦争で、中国側の抵抗(列強が支援していた)に苦しんでいた日本軍は、東南アジアに済む華僑を警戒し、華僑男子に「数日間の食糧を持って、市内各地5カ所に集まるように」命じます。この時日本軍が持っていたと言う「処刑すべき」リストの中にリー氏の名前も入っていたとか。

実際にシンガポールに居た華人は5000人ほどが処刑されたと言うことですが、これもはっきりしてはいません。現地華僑の歴史家には5万人が殺されたと言っている人も居るそうで、真実は霧の中のようですね。

リー・クアンユー氏も、この日本軍政時期に放送局などに勤務していたそうです。そしてこの時期にリー氏を含むシンガポールの住民に、将来の独立に向けての希望が見えたと感じたとか。
永遠に続くと思われた英国による支配があっという間に日本にとって替わったこと。そしてその後の日本の軍政が緩やかだったからだと思います。

日本が敗北し、日本軍はシンガポールから去っていきます。この時、シンガポールの住民にナショナリズム意識が芽を吹き出したのです。
この時のことを、リー・クアンユー氏は次のように述べております。
「私と私の同僚の世代は、若いときに第二次世界大戦を体験し、その体験を通して、日本であろうとイギリスであろうと、われわれを圧迫したり、いためつけたりする権利は誰にもないのだ、という決意をもつに至った世代です。われわれは、自ら治め、自尊心ある国民として誇りをもてる国で、子供たちを育てていこう、と決心したのです」・・・

その後、英語が出来たリー氏は英国に留学。弁護士となって帰国し、独立運動で植民地政府に弾圧された労働組合や学生指導者の弁護を引き受けるようになり、そして政治への道を進むことを決心したそうです。

1957年に隣のマレーシアが英国から独立、シンガポールは1958年に英連邦内自治州となり、外交・国防を除いた完全内政自治権が付与され、そしてリー氏は35歳の若さで首相に就任したのです。
その後、共産主義勢力との対決とか、マレーシア連邦に加盟するも、マレーシア側が「華人勢力が強まり、連邦の結成を乱す」と言う理由で追放されるなど、苦労が続きました。

このような経緯を経て、1965年、ついにシンガポールは都市国家として独立を果たします。

独立後のリー・クアンユー氏は、手厚いインフラ設備で外資を誘致し産業を興し、住民には雇用を増やして生活を安定させました。
そして、「シンガポールを東南アジアのオアシスにすること」をその政策に掲げます。徹底して政敵を排除しPAP(人民行動党=People's Action Party:リー氏の政党)の独裁体制を貫きます。

野党には選挙制度や選挙区の改編で攻撃し、野党候補を当選させた地区には政府支援などで不利益を被るように仕掛け、徹底した能力主義で国を発展させました。
東南アジアで最も清潔で整備された街並みを見ると、このリー氏の政策が、ある意味では正しかったことをうかがわせます。

しかし、失敗・敗者復活を許さない教育制度などのエリート至上主義は、人権上からの批判が出ております。
それでも「現実的に自分は正しい」というリー氏の信念を、シンガポーリアンは受け入れてきたのです。

1990年に引退しますが、その後もシンガポールの政治に影響を与え続けてきました。2004年には長男のリー・シェンロン氏が首相となり、現在もPAPの政権が続いています。

4年前の2011年、経済成長の停滞が続いたためか、総選挙で国会定数87議席のうちPAPは過去最低となる81議席に減ってしまいます。つまり野党に6議席取られたということです。
若い世代を中心に、PAPの管理政治への不満が噴出し始めたようです。

都市国家シンガポール。その最高実力者が他界いたしました。
南シナ海への中共の侵略など、石油シーレーンなどに影響が懸念される時です。今後、シンガポールはどうなっていくのでしょうか。

東南アジアで一番美しい都市・シンガポールが、いつまでも美しくありますように・・・心からリー・クアンユー氏のご冥福をお祈り申し上げます。