軍事評論家の鍛冶俊樹氏が、現在の戦争について「核兵器が発達した現代においては、世界各国は核戦争に発展する事を恐れて全面戦争を回避する傾向が顕著である。従って全面戦争に発展しかねない正規戦、つまりドンパチも避けたがる。」と述べております。
そして「その代わりに行われるのが軍事演習だ。ある国が軍事力を演習で誇示すると敵国は、それを観察して分析する。これを互いに繰り返して、得られた情報をもとにシミュレーションすれば、戦わずとも勝敗は明らかになる。」として、軍事演習は近代兵器を誇示して、敵側のシミュレーションで「勝ち目はない」と結論が出ればOKなのだそうです。
ですからアメリカは中共からの留学生や研究者の受け入れを規制し、インターネットによる盗聴に対して「こちらからもサイバー攻撃を掛ける」として対中情報漏洩を積極果敢に防止し始めたわけです。
アメリカが研究開発をしている軍事技術の情報が、中共から来た留学生や研究者(ようするに技術スパイ)、あるいはサイバー戦闘部隊によって盗まれ、アメリカよりも先に発表されてしまうことを防ぐためです。
我が国の情報戦準備は極めて危険な状態にあります。スパイ防止法などがありませんし、作ろうとしても反日サヨク(マスコミも含む)に反対されて思うように作れません。
そして我が国の軍事技術は、容易に中共に盗まれるからです。これでは軍事技術が戦争防止の役に立たなくなり、かえって危険(戦争誘発)に結びつく可能性があります。
安倍外交でアメリカ、オーストラリア、インドとの共同軍事演習が行われているのは、中共の軍事シミュレーションによって「勝ち目はない」という結論を出させる為でしょう。
しかしその軍事技術が中共に筒抜けになれば、このような結論は出てきません。当然中共も同様の技術を開発するでしょうし、均衡した軍事力が戦闘を誘発することは考えられます。
現在アメリカおよびその同盟国が対中戦略で気を配っているのが「5G」の通信システムと、ミサイルディフェンスに必要な電磁兵器の技術情報でしょう。
5Gの通信技術は中共でも実験で成功しているようですが、この指向性の強い電波を如何に軍事的に使うか、その中継システムや暗号システムが開発の中心になっていると思います。
軍事衛星を使う中継で、その衛星を攻撃する技術は中共も開発しています。しかし例えば複数の衛星による並列通信となれば、どの衛星を攻撃すれば通信が完全に出来なくなるのか、それは恐らく判らないでしょう。
それにアメリカの軍事衛星を攻撃すれば、アメリカ側に反撃の大義を渡すことになり、やりたくない戦争がエスカレートしてしまうことになりかねません。中共がその攻撃を決断するには相当な勇気が必用でしょう。
ミサイルディフェンスに必要な電磁兵器は、飛来するミサイルのコントロール回路を強烈なサージ電流で焼き切る兵器です。
アメリカ軍はすでに開発を終え、原子力潜水艦に搭載する計画のようです。原子炉が無いと大電力が得られないために電磁兵器は使えません。原子炉搭載の潜水艦ならば電源が確保出来て、この兵器が実戦使用可能ということのようです。
しかし原子炉があれば良いだけではなく、そこにはその電気を電磁兵器に渡す電源回路が必要になります。この電源こそが「極秘」ということになるように思います。
これらの新兵器は、実戦でどう使うかを試すことはなかなか出来ません。そこで演習が意味を持ってくるわけです。共同演習であれば、相手側はその威力を見せつけられることになります。
中共は各国の軍事演習を盗み見ております。ですからアメリカは共同演習から中共を除外しました。見る一方だけで自国の実力を見せないとすれば共同演習のルール違反ですから。
戦争回避のためなら演習で充分のようですが、武器商売となるとやはり実戦経験が重要になります。ですから小規模な戦闘は常にどこかで行われる可能性が大きいようです。(日本国内かも知れません)
パリ同時多発テロ事件が2015年11月に発生しました。IS(イスラム国)が行った残虐な事件ですが、事件現場の様子を分析した国際ジャーナリストの丸谷元人氏によりますと、これはフランスが行った偽装テロだと断言します。
死体の状態、目撃者の証言などでそう判断できるそうですが、その後フランスは自国の戦闘機を使ってシリアのIS拠点を攻撃しました。
それまでフランスの戦闘機はなかなか売れませんでした。実戦経験が無いからだそうで、このIS拠点攻撃で実戦の経験が出来たわけです。もちろんその後この戦闘機が売れ始めたとか。
おかしいと思ったらその事件で一番得をしたのは誰か、その考え方から見れば、間違いなくフランス政府だろう・・と丸山氏は言うのです。
F35戦闘機を始め、アメリカにはまだ実戦経験のない新兵器がいっぱいあります。南シナ海やインド洋での演習は、これらの兵器の優秀さを見せつけためかも知れません。
戦争回避にはこの程度で良いでしょうが、これらの兵器を販売するとなるとどうしても必要なのが実戦経験。
大戦争はしたくないけど小規模な戦闘は行って実戦経験をつけたい・・・と考えることはむしろ当然ですよね・・・
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