2018年9月8日土曜日

中共から撤退のスズキ自動車

日本の自動車企業で、スズキ自動車が中共から撤退するそうです。
軽自動車を中共で作るように懇願されて乗り出したスズキ自動車でしたが、スズキ・アルトという軽自動車を販売開始すると同時に、中共政府は「高速道路に1000cc以下の車は走行禁止」という法律を作ってしまったと言います。

それでなくとも「小さいのは悪、大きいのが善」というおかしな価値観の華人に軽自動車を販売するのは難しいわけで、そこに「高速道路は走ってはいけない」という法律を作られたのではたまった物ではありません。

スズキ自動車は25年前に中共市場に乗り出しました。しかし2017年度のスズキの中共での販売台数は前年度比3割減の約10万5千台になってしまいました。
そこで経営不振という理由を持って中共市場から撤退を決めたようです。

これからはライセンス供与に切り替え、重慶長安汽車グループが「スズキ」ブランドの車を生産・販売するとか。
重慶長安汽車の株式をスズキは50%保有しているそうですが、それを全部重慶長安汽車グループに売却すると言うことです。
また、江西昌河汽車との合弁も解消すると言うことです。

中共は大陸国家です。ですから大型車の方が使いやすいのは当然です。ですからアメリカ車は使い勝手が良いはずです。日本の土地には日本車が向いておりますが、アメリカ大陸ではアメリカ車の方が向いているわけです。
軽自動車はシティカーとして使うときには便利でしょうが、大陸を走るには不向きでしょう。

ですからアメリカの自動車メーカーと合弁して中共の国産車を造れば良いように思うのですが、アメリカ車では欧州や日本には売れないでしょうね。

そして習政権は、内燃機関よりも今後の車としてEV、即ち電気自動車を重視しているようです。アメリカのテスラを始め、日本もEVの生産が始まっています。ハイブリッドは基本的に省エネのガソリン車ですが、EVは完全な電気エネルギーで走ります。

習主席は、一帯一路構想で街道筋に原発を並べて自動車はすべてEVにするとか、EVを国家戦略に位置付けたようです。
石油資本に押さえつけられた中共の、反発ゆえの戦略だと思います。
ですからEVの開発に出遅れたスズキは、そういう意味でも中共市場からの撤退を決めたのかも知れません。

しかしスズキ・アルトなどはリッター37km走る低燃費です。これはハイブリッドの燃費に匹敵するものではないでしょうか。

最近のEVは、例えば日産リーフが400kmを充電なしで走るとか、長距離走行を売りにしております。テスラなども350kmなどの走行距離を出してきております。それでも大陸を走るには不向きですが・・・

EVは当然のことながら、自動車の使うエネルギーをすべてリチュウムイオン電池で賄います。ということは、冬場の走行には走行中に暖房も電気で取らなければなりません。当然夏場の冷房もそうです。

そうすると走行距離は半分になります。冷房はもう少し良いのですが、暖房は電気を喰います。そしてEVにはエンジンの熱はないのです。
大陸北部の冬、走行中に暖房が途切れれば、EVの場合はどうすることも出来なくなります。充電場所を乗り継いでも、200kmごとに充電では時間がかかりすぎるのではないでしょうか。
冬の充電場所に暖房付きの小屋が無ければ、充電中に凍死してしまいます。(大陸の冬ですからね)

市街地のドライブならEVで良いでしょうが、大陸走破にはEVではまだ無理ではないでしょうか。
日産自動車は中共にEVを続々投入するそうで、シルフィEVなどを計画しているとか。
大陸で凍死などしないように、どういう手立てを打つのでしょうか・・・注意しないと欠陥車として莫大な保証金を取られるかも知れませんよ。

中共がEVで先進的に発展していく・・という妄想が習政権にあるのかも知れません。まあ、やるのは勝手ですが日本側にうまく行かなかった責任などを押し付けてこないように、今からガードしておく必要がありますね。
そして中共の市場からは早めに撤退することです。今後アメリカは対中政策をさらに厳しいものにしていくでしょうし、何と言っても人民元はドル経済圏に組み込まれた信用なのですよ。

その中共がアメリカの裏庭で影響力を増していることで、トランプ政権はドミニカ共和国とエルサルバドル駐在の米大使とパナマ駐在の米代理大使をアメリカ本国に召還したそうです。
台湾と断交し、中共と国交を樹立した国々の大使で、「中米とカリブ海一帯での強力かつ独立した民主体制と経済の支援に向けた方策について話し合う」としております。

アメリカはこのような中共の振る舞いを「脅威」と見なしています。対中経済封じ込みはどうやら本気のようです。
かつてのABCD包囲網は、ABJD包囲網に変わって発動するかも知れません。現在アメリカは「サイバー真珠湾」への警戒を高めているとか聞きます。
そしてもはやトランプ大統領が対中緩和を口にしても、議会が完全に反中となってしまっていると言うことです。

産経の田村記者は、中共のマネーパワーは「張り子の虎」だと言い切ります。
http://www.sankei.com/premium/photos/180908/prm1809080006-p1.html

と言う訳で、日本の自動車企業はすべて、早めに中共から撤退した方が良いと思います。残って中共のために頑張っても、彼らはなんの感謝もせず意気も理解できません。ただ「儲かるから残っているんだろ」としか見てはおりませんよ・・・

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