先に行われたダボス会議で、中共の習近平主席は「保護主義に反対する」と演説しました。「自由貿易こそが世界経済の発展の基礎」とも言うような発言です。
もちろんこれはトランプ大統領の対中強硬姿勢に対する反発から発言されたものでしょうが、トランプ大統領はほとんど気にしていないようです。
トランプ大統領は今も中共を「最大の不公正貿易国」と考えているようですから。
中共側は盛んに「報復カード」を切ってくるようです。米自動車メーカーへの制裁措置を科したりしております。
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の中共での販売統括会社に対し、独占禁止法に違反したとして罰金2億100万元(約34億円)を科したそうです。
現在中共が持っている報復カードは、習主席が一昨年にボーイング社から購入することを発表した737型機300機の購入を白紙撤回することなどがあり、また中共国内に展開するアメリカ企業への、不自由な国ならではの制裁処置も考えられるということです。
ダボス会議で習氏は「貿易戦争をすれば、結局は双方が負けることになる」などと貿易戦争回避に向けてさかんにトランプ氏を牽制しておりますが、トランプ大統領はまったく気にしておりません。
自由貿易は相互の自由でなければ不公平であり、現在も不自由貿易をしている中共の習主席が何を言っても、説得力はありません。
その不自由な中共から、自由の国アメリカに向かって多くの中華企業が進出し始めております。
中興、海信、TCLの家電・通信機器メーカーとか、スマホメーカー・小米科技(シャオミ)なども進出しており、シャミオなどはアンドロイドTV搭載の端末「Mi Box」を、アップルの同等品の半値以下で販売するなど、自由を使った侵略的貿易を展開しております。
環球時報では「トランプが中共に関税を課すのなら、iPhoneの売り上げは打撃を受けることになるだろう」と脅しています。
自由の国アメリカも、アメリカに不利益な交易を続けていれば怒ります。正当な理屈なども通らない怒りもしばしばです。
かつてレーガン政権時代の日米貿易摩擦などがその典型で、日本は理不尽なことでも譲歩せざるを得ませんでした。これが自由の国アメリカなのです。
中共は軍隊を持っていますから、貿易戦争は発展して戦闘行為となっていくかも知れません。トランプ大統領が対中貿易交渉をまだ言い出さないのは、彼の国が条約を結んでも守らないことを知っているからでしょう。
その代わりに南シナ海でアメリカ軍が臨戦態勢を整えつつあります。
中共の軍事力はアメリカ軍に比べてまだ劣勢にあります。しかし核兵器と核ミサイル、通常弾頭のミサイルはかなり持っておりますし、5000キロにも及ぶ移動式核ミサイル発射サイトは、まだアメリカも完全に把握はしていないようです。
さらに、米露間で行われた核兵器規制の条約にも入っていませんし、入ることを拒否し、無尽蔵に核弾頭やら核ミサイルを作っているそうです。
日本国民とは違って、核に対する必要以上の危険意識はなく、いざとなったらいつでも使う兵器として考えられているようです。
また、通常弾頭ミサイルの、空母キラーとして知られる地上発射型対艦ミサイル(最高速度マッハ12)などもアメリカ軍を迎え撃つ兵器として準備されていますから、油断はできません。
この空母キラーを南シナ海の人工島に設置する計画も進んでいるようで、アメリカとしては早めに叩きたい南シナ海の軍事基地なのでしょうね。
トランプ大統領の対中観は「貿易不均衡」だけだと思います。そしてトランプ大統領の頭には雇用創出が大きくなっているようですから、アメリカで展開している「アリババ通販サイト」のジャック・マー(馬雲)会長がトランプ氏と会談、両国の関係改善に乗り出し、アメリカの中小企業による中共向け商品販売を支援することで、米国内に100万人の新規雇用を創出する計画を持ち出しているようです。
トランプ大統領は、雇用回復に製造業のアメリカ回帰を考えておりますから、このマー会長の申し出には乗ってきました。
しかし他の閣僚は中共の太平洋進出阻止が目的です。ですからトランプ氏の対中懲罰課税で、対中貿易戦争が、実戦に変わることを念頭に置いているようにも見えます。
マー会長は米中間の関係改善にこれから乗り出すようですね。
それにしても、例えアメリカの中小企業が、よく売れる商品をアリババ経由で中共に売れば、たちまち中共製の模造品が出てきてまたまた紛争となりそうですね。
今後のトランプ政権がどのようにこの「不自由な国家」と対峙していくかは判りません。雇用第一でアメリカに製造業を戻す考えは間違ってはいませんが、単純労働に重点を置いてはだめですね。
あのバイタリティに溢れた、粗野なアイディア一本で、ともかく今までなかったものを作り上げていくアメリカ人気質を取り戻さないと、アメリカの強さは出てきません。
そのアイディアを出す大学や研究機関からは、トランプ政権が危惧されています。単純労働を低賃金でやってしまう不法移民は排除すべきでしょうが、アイディアが一杯でバイタリティのある移民は歓迎した方が良いでしょう。
まあ、なかなか区別するのは難しいでしょうけどね。
0 件のコメント:
コメントを投稿