地球温暖化の影響なのかどうか、北極海は今、海氷面積が減少しています。奇妙なことに南極側の氷は増加しているそうですから、必ずしも温暖化が原因かどうかは判りませんけど・・・
さて、北極は北極海であって北極大陸はありません。ですから氷が少なくなれば航路も出来るようになり、船による欧州とロシア、そしてアジア、アメリカなどの貿易距離短縮につながるわけです。
しかし、各国が勝手に航路を作って船舶を動かすと無用な混乱が生じ、不公平な環境が出来上がってしまうことが懸念されます。
北極海周辺の資源開発や環境保持などをめぐる国際ルールの策定に北極評議会(AC:Arctic Council)が出来ておりますが、ここにはアメリカやロシアのほか、カナダ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、スウェーデンの北極海沿岸8カ国で成り立っており、日本は入っていませんし、沿岸国ではないから入れません。(オタワ宣言)
北極回りの航路開発に、この組織をメインに据えようと言うことです。北極評議会の各種決定は8加盟国のコンセンサスによりなされるそうです。
そこで安倍政権は、日本は観測衛星による北極海の氷の状況監視など、科学技術の知見を生かしてルール作りに貢献出来るとして、アメリカとの連携を強化して航路の開発に取り組む方針を固めたそうです。
そして12月3日、島尻安伊子科学技術担当相がアメリカに赴き、4日にワシントンでホルドレン大統領補佐官と会談することになったそうです。
この北極海は、航路だけでなく海底油田などの資源開発も有望であり、世界各国も注目しているそうです。日本政府は今年10月、総合海洋政策本部(本部長・安倍晋三首相)を立ち上げました。
これから基本政策を決め、国際社会の動きに積極的に関与し、権益を確保しようと言うわけです。権益といっても、資源開発をさせない権限もあるわけですからね。
この北極協議会は、北極圏諸国に居住する先住民団体、アリュート国際協会、北極圏アサバスカ評議会、グイッチン国際評議会、イヌイット極域評議会、ロシア北方民族協会、サーミ評議会の6団体が常時参加者として置かれ、9つの政府間ないし議員間組織があり、オブザーバーとしてフランス、ドイツ、ポーランド、スペイン、オランダ、英国、日本、中共、インド、イタリア、韓国、シンガポールの12か国が参加しています。このオブザーバーの参加は、どうせ資源開発やるんだったら入らせろというだけでしょうからね。
もともとこの協議会は、北極圏の持続可能な開発、環境保護等の共通の課題について、先住民社会等の関与を得つつ、協力・調和・交流を促進することが目的なのです。
ですから日本の提案する「北極海の氷の状況監視」とか「航路の開発で環境がどのように変わるか、あるいは変わらないようにどうするか」などの提起が可能になります。
また、海底油田の開発など「やっていいのか悪いのか」そのような調査も必要でしょうし、欲得づくで開発を希望する国家や企業に、どのように諦めさせるかなども協議する会ともなるでしょう。
船で航行する場合も、内燃機関の使用を制限し、夏場は沈まぬ太陽を利用した電気航行を義務付けるなどの対策も必要でしょう。
冬場も、原子力発電航行と二次電池航行だけにさせて、常に衛星監視の気象の変化に注意しながら航行することが必要でしょう。
内燃機関の船は、事故などの緊急の場合のみ使用可能とするなんて、いかがでしょうか。
同時に、なぜ北極の氷が減少しているのか、北極圏に住むシロクマやセイウチなどの生態系は大丈夫かなどの調査も常時行うことが出来れば、日本の科学技術が地球の調査に極めて大きな貢献をすることになるでしょう。
もしかすると、北極圏の氷の減少は、成層圏を飛ぶ飛行機が原因かも知れません。そのような調査報告が出るならば、飛行制限を提案し、その代替交通として日本のリニア新幹線を提案することも可能ですね。
北極海の情報は、映像化して環境科学の解説なども作成可能です。このような啓蒙映画を作って世界に販売すれば、資金面にもすこしは貢献できますね。
これはシーシェパードなどのやり方を参考にしたものですけど・・・
クジラなどの調査も、この協議会で進めることが可能ではないでしょうか。一部では捕鯨禁止にしたのでクジラが増えて生態系を狂わしているという噂もあります。
もし本当なら、捕鯨再開に向けた流れも出来るかも知れません。
日本にとって、何かと有効な北極海航路の開発とその科学技術での貢献です。ロシアとも接近できますから北方領土交渉などの切り口も見いだせるかも知れません。
北方領土だけでなく、千島列島周辺の新たな開発にアメリカも参加した開発計画を出し、開発権取引なども可能かも知れません。
このような可能性を秘めた交渉が始まります。
島尻安伊子科学技術担当相には頑張ってもらいたいですね。
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