2015年12月19日土曜日

激怒が続く習主席、激怒したとて・・・

アメリカ・オバマ政権はついに台湾にミサイル・フリゲート艦2隻など総額約18億3千万ドル(約2200億円)相当の武器を輸出する方針を決定し、議会に通告したそうです。
もちろん中共を牽制するのが狙いです。2015年までに台湾の平和的融合という試みが失敗した中共です。習政権は戦争によって台湾を併合しようと、「戦争の準備をせよ」と人民買う方軍に指示したのが今年年頭の頃でした。

しかし、中共製の武器は台湾製の武器には歯が立たないことを人民解放軍から知らされた習主席、激怒したもののどうにもならず、再び武器調達でロシアから最新鋭の戦闘機を買付けるなど、初心に帰って活発な戦争準備に入りましたが、それでも2016年には戦争による台湾併合などは不可能です。

台湾は来年1月16日の選挙で、民進党の政権が勝つことがほぼ確定しているようです。有権者がそう言っているそうですからね。
そこでオバマ政権はフリゲート艦(護衛艦)、携行式地対空ミサイル「スティンガー」をはじめとする各種ミサイル、水陸両用車などの輸出に踏み切りました。もちろん米中関係が緊張を増すことは覚悟の上です。

しかし、民進党・蔡英文主席が台湾独立ではなく、現状維持を選択していることからか、いつ中共が軍事技術を盗みに来るか判りませんから、F16戦闘機は輸出を見合わせたそうです。

これには習主席、再び激怒なのです。
鄭沢光外務次官を通して在中アメリカ大使館の臨時大使を呼び出して、「中共の主権や安全などを著しく損なうものだ」などと述べ、武器売却関連の米企業に対し制裁措置を取る方針を表明したそうです。
でもこれらの兵器にはアメリカだけでなく日本の部品も入っているはずですから、どういう制裁を掛けるのでしょうか・・・

激怒に激怒を重ねている習主席を、さらに激怒させる出来事が発生しました。

インドの高速鉄道システムが日本の新幹線方式を採用することに決定したのです。インド西部のムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道建設計画は、2013年から日印が協力して調査をしていました。
そこに中共が割り込む形で中共製新幹線の売り込みを掛けてきたのです。

これはインドネシアの時と同じで、設計の為の調査など、金のかかることは日本にやらせておいて、新幹線事業だけはいただくという中華龍の賢い方式です。
インドネシアは賄賂攻勢(おそらく)で中共に取られてしまいましたが、現実的なモディ政権は日本の新幹線方式を採用したわけです。

激怒した習政権は、それでも一応世間体を気にしながら、「どの国にも自国の協力相手と協力方式を選ぶ権利がある。インド側の決定と選択を、我々は尊重する」と述べているそうです。
その裏で、「日本はインドの高速鉄道プロジェクトを持って行ったばかりか、軍事協定にまで署名した」などとマスコミに書かせ、国内に対しては焦点を日本の武器輸出へ持っていこうとしているそうです。

昨年から今年にかけて、習近平とインドのモディ首相は、互いに相手国を訪問しただけでなく、互いの故郷をも訪れ歓待しあうなど、その蜜月ぶりを世界に発信していました。
「中印両国は高速鉄道でも協力すると合意した」などと得意げに話していた習主席ですから、その激怒ぶりは凄まじかったでしょうね。

もともとインドと中共の国境では紛争が絶えません。アジアにおいてこの両国は最大の敵対国同士なのです。ですからモディ首相の本音は「中共とは一線を画したい」というところでしょうね。
このインドの本音を察せなかった習主席のミスであることは間違いありません。インドネシアには何といっても華僑が多く、しかも経済の実験を握っているのです。

今後の中印に対して、日本は大気汚染の克服競争を仕掛けたらいかがでしょうか。
インドも近代化を達成しつつありますから、工場から出されるガスや汚物が環境を汚しています。そこでライバル同士と言うことを逆手にとって、インドの環境対策を日本の指導で行うわけです。

インドはヒンズー今日が主流で、あとはイスラム教、キリスト教などが入っていますが、中共のように無宗教ではありません。
ですから、この価値観をよく調べながら、汚染克服が例えコストアップ要因になっても必ず勝てることを理解させて行くのです。

安倍首相の訪印で決まった原子力発電の輸出は、大気汚染問題の切り札としてモディ政権が求めたものです。そのために、核兵器に転用しない条件で日本の技術を輸入する原子力協定の締結にもモディ首相は合意したわけです。
このインドの環境汚染に対する姿勢を信じて、日本からの技術援助をもっと進めて、もって対中環境競走を展開させる戦略です。

もしこの競争を受けて、中共も大気汚染対策を始めれば、中共も救われるかも知れません。この時、インド経由で技術情報が洩れても、それは構わないように思います。

習主席の世界戦略は、中華思想のそれであり、欧州キリスト教の金融資本主義と同じ様相にあります。新幹線を始めとするインフラの提供は、その開発費を貸し付け、その返済による金融資本の利益を求めるもので、何のことは無い「欧州列強の植民地支配」と同じようなものです。

だからこそ、AIIBなる悪質な融資機構が必要になったわけで、ADBの精神とは全く相容れないものです。
アジア各国がそのことに気付き、再び今度は華人による植民地とならないように、日本も貢献しなければなりませんね。

インドの新幹線方式の採用決定は、このような世界の現実に対して良貨が悪貨を押しとどめたように見えます。このような連鎖が起こることを期待したいのですけど・・・

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