2015年12月13日日曜日

いなくなる焼け跡世代

作家の野坂昭如氏が亡くなりました。享年85歳でした。
「アメリカひじき」とか「火垂るの墓」という小説で直木賞を取り、それから本格的に作家となった野坂氏です。火垂るの墓では、戦後の焼け跡の中で妹を栄養失調で亡くすお話ですが、同じような境遇だった三島由紀夫氏と気持ちを分かち合えたのか、仲が良かったようです。

我々戦後世代には判りませんが、人生の幼少期から、多感な青春期を戦争と愛国の中で教育され、先輩たちが果敢に戦場で決死の攻撃を掛けていた時から、敗戦となって手のひらを返したように「一億総ざんげ」などという吹き込みが始まり、占領時期が終わっても戦前と前後の分断された風潮の中で、どうにもやりきれない気持ちをどこにもぶつけられず、苦しんだ世代が焼け跡世代ではないでしょうか。

GHQの洗脳政策に背を向けた焼け跡世代の一部は、荒廃した国土の中で、ひたすら消費材の開発と生産に埋没し、経済面のみを発展させてきました。
戦前に弾圧されていた焼け跡世代の一部・サヨクは、GHQ政策の元で既得権を手中に収め、民主主義と平和というプロパガンダのもとで「日本解体」計画を推し進めました。

テレビから流されるアメリカを目標にした戦後生まれの団塊世代が世に出るにつれて、焼け跡世代は戦争世代とに挟まれて特異な存在になって行きます。
いかにして戦後世代に「戦後日本」を伝えるか、サヨクは教育界に手を伸ばし日教組を組織し、財界はアメリカに追いつき追い越せというように、技術と経済を発展させます。この指揮を取るのは、戦争世代の人達で、生き残ってしまった同胞への申し訳なさからか、経済でアメリカに勝つことを目標に、まるで弔い合戦のように邁進します。

こうして日本経済大国が出来上がってきますが、焼け跡世代はそこに自分たちの居場所がどうしても見いだせなかったようですね。
三島由紀夫氏はそんな日本に愛想をつかして割腹自殺します。野坂昭如氏は「火垂るの墓」をサヨクのプロパガンダに使われてしまいますが、その後戦争反対に対して「軍隊は必要」とか「やられたらやり返す、当たり前だ」などの発言によってテレビ界から干されてしまったようです。

戦争世代が95歳以上となり、焼け跡世代が80歳台となってきた今、戦後に生まれた保守とサヨクが、根拠の判らない主張をぶつけ合っています。
戦後保守が「再軍備には憲法改正が必要」と述べれば、戦後サヨクは「9条を守れ」とか「戦争法案を廃棄せよ」などと、意味不明な主張を繰り返しています。

憲法改正を叫ぶ戦後保守は、憲法草案をもっているのでしょうか。マグナカルタを憲法と誤訳したなどの疑いを持っていれば、憲法とは17条憲法のことであることに気付くのではないでしょうか。
日本に欠落しているのは、法治の主権国家としての基本法であって、憲法ではないという主張は今のところありません。
憲法は17条憲法に准じ、国家防衛には銃を持って立ち上がる・・などの基本姿勢を、戦後保守は持ち合わせていません。

戦後サヨクは、「反戦平和」とか「戦争反対」のようなスローガンを掲げて、いいように中共に操られているようです。少なくとも彼らの主張はどれも中共に利することばかりですね。
原発反対なども、どうして反対なのかなどその客観的意味はあまり述べられておりません。マスコミによって流されるオドロオドロした表現で、多くの国民を惑わせます。ようするに反日が目的であるとしか見えません。

中共が反日で日本に対して仕掛けているのは紛れもなく戦争です。宣伝戦と脅迫で領土領海を奪取しようとしているわけです。中共の兵隊は、自衛隊の艦船にレーザー照準を当てたり、米軍の航空機に当てたりして挑発します。これは戦争挑発なのです。
挑発に乗り、うっかり発砲すれば「先に撃った」とののしるような、そんな戦争になってきています。
そしてこれを我慢して放置すると、今度は我々の海域に軍事施設を作り始めるわけです。「そこは古くから中共の領海だ」と言って、国際法などは無視します。紛れもなく侵略戦争そのものなのです。
南シナ海がまさにこのような戦場になっております。このような戦争を容認しているのが日本サヨクの反戦平和なのです。だから中共に協力するサヨクと言われます。インチキというわけではなく、戦争が変わってしまったことからくる認識不足です。

野坂昭如氏に代表される焼け跡闇市世代は、アメリカの暴力や、三国人の身勝手な主張とか騙しの手口を知っています。ですから団塊世代以降の「保守」にも「サヨク」にも同意できなかったのでしょう。

口下手だった野坂氏。彼を理解できた戦後生まれはついに現れなかったようです。アメリカの戦争はテロ戦争に変わり、戦場も前線・銃後という時代から我々の生活圏内部に変わりました。
それも理解できない戦後団塊世代の保守とサヨクなのですね。

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