2011年11月12日土曜日

どうなるユーロ、ギリシャとイタリア

通貨統合という「革命家たちの実験」、即ちユーロは大失敗・・・。
ギリシャ、イタリア、スペインなどを見ても、もう明らかなのではないでしょうか。

混乱の中でギリシャのパパンドレウ首相が降板し、変わって欧州中央銀行(ECB)のルカス・パパデモス前副総裁(64)が次期首相に就任することになったようです。
パパンドレウ首相の発表した国民投票は、与野党両方からの反対を受けて挫折・撤回となり、辞任を決意したとか。

首相が変わっても、負債が減るわけではありません。50兆円近くある対外負債はそのままです。
そして、ギリシャの国債の50%元本減免というEUの決定。なぜこれに国民投票が必要なのか、どうもよくわかりませんでした。
この決定はギリシャを半分デフォルトにしたということで、どうして半分かと言えば、ユーロを潰したくないからだとか。
しかし半分デフォルトということは、ようするにデフォルトということでしょう? 残された50%だって、返済のめども立っていないのでは?

一方のイタリアは、今年の7月に400億ユーロ(約4兆5000億円)規模の緊縮策をめぐる上院での投票で、信任を勝ち取ったあと、首相のベルルスコーニ氏がスキャンダルに見舞われました。
8月~9月のことですから、明らかに緊縮財政に対する嫌がらせにしか見えませんね。しかし、ベルルスコーニ氏は辞任し、どうやらモンティ元欧州委員が首相の座に着くようです。
国民は「首相はイタリアの恥だ」とか「性的スキャンダルにはへきえきした。わが国の恥だ。あきれるしかない」などと酷評。マスコミに乗せられているのは日本国民だけではないようですね。売春が合法である国家なのに・・・
首相の首を挿げ替えても、イタリアの対外負債は190兆円ほど。これをデフォルトにするわけにはいかないでしょう。それはEUの破壊になるからです。

さて、EU加盟を2013年として、いまだEUに加盟していないアイスランド。「金融での国興し」などといい気になっていたら、2008年9月のサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機に直撃され・・破綻。
しかし、粘っこい国民性ゆえか現在は順調に回復軌道に乗っているとか。
通貨価値が暴落したために輸出ドライブがかかり、輸出が伸びているためだとか。もともとアイスランドは工業国。豊富な水力発電を使ったアルミ精錬などを持つ国。ソフトウェア産業やバイオテクノロジー(医薬品の輸出)も盛んに行われています。
どうやら立ち直りが早いのもEU加盟前だったからではないでしょうか?

フランス人の政治学者「エマニュエル・トッド氏」は、「ユーロの運命はすでに尽きました。おそらく早晩、ユーロは消滅するでしょう。」と辛らつにユーロの失敗を宣言します。
「通貨を人為的に共通化することによっても、国民のライフスタイルをヨーロッパとして統一することはできないのです。要するに、文化が異なるなかで社会システムを統一すれば、無理が生じるのは当たり前です。」として、「トップは、ドイツ、2位はフランス、最下位はギリシャといったように、ユーロはユーロ圏に属する国を序列化しただけです。経済力や文化が異なるのに、ヨーロッパ共通の通貨政策など、機能するわけがありません。」と断言します。
さらに「ユーロを創設したエリート層は、自分たちが犯した失敗をなかなか認めようとせずに、意固地になっているだけです。ユーロに対する判決は、すでに下されました。」と結んでいます。

一方、性的スキャンダルで嵌められ辞任したIMFの「ストロスカーン」専務理事。どうやら訴えた女性の方が嘘つきだったようですが・・
そのストロスカーン氏に代わって登場したのが「クリスティーヌ・ラガルド」氏。IMF設立以来、初の女性トップとして、この7月から5年間の任期を勤めます。
この有能な女性理事長、さっそくイタリア経済のIMF監視を発表。そのあと外交を開始しました。

混沌とする欧州経済。
しかし、有能な人物が次々に登場しているようです。
・・・それに比べて日本は・・・・

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