2020年3月12日木曜日

財務省の変なドラマが始まる

WowWowで「オペレーションZ~日本破滅、待ったなし~」というドラマが始まるようです。
また間違った経済学を基にしたドラマのようです。通貨と言うものの意味が判っていないドラマで、日本国債が大量に市場で売られ、日本が破滅するというお話。どうやら国債の意味も解っていないようですね。

まず、ある保険会社が破綻し持っている1兆円の国債が市場で売られる・・と言うところから始まるらしいのですが、なぜ市場で売るのかがよく判りません。
日本銀行に売れば1兆円の国債はすぐに1兆円の現金になるはずです。

さらに日本国債の償還は円建てですから、市場に流れて外国人が購入し、それを売りに出したとしても「円」で支払えば済むことです。
ですから財政破綻(デフォルト)に至ることはあり得ません。

その保険会社が破綻するのかどうかは知りませんが、それが国家破綻に結び付くことは考えられません。これは昔、財務省自身が国際社会に向けて述べたことです。

唯一危機が起きるとすればインフレですが、1兆円くらいの円通貨が市場に増えたところで大したことはないでしょう。今ならデフレですから景気が刺激されて良い方向に向かうのではないでしょうか。

しかしこのドラマは財務省のエリートが極端な緊縮財政をして乗り切ろうという筋立てのようです。

最近はレバノンのデフォルトが話題になっています。これはレバノンの国際がドル建てだからデフォルトになるわけです。

通貨は国家が発行します。まあその国の中央銀行ですが、政府と合わせて統合政府という言い方をします。
我が国は2020年末に国債残高が906兆円になるそうです。(このドラマによるとです)
そしてそれは税収の約14年分に相当するとして、大問題としているようですが、何が問題なのでしょうか?
そのお金の大部分は国内に残っているのですからね。

財務省はこの政府借金を国の借金として、それを国内から引き揚げようとしています。政府が市場から現金を引き上げるには税金と言う方法しかありません。
もし906兆円引き揚げれば、世の中のお金は民間の借金と預金だけになります。これを使って公共財への投資を行え・・と言うことのようですね。
その意味は・・まったくないと思います。

もともと通貨とは「政府借金」のことです。一応民間企業の日本銀行が発行しますが、統合政府という考え方に立てば政府発行です。そしてそのお金はすべてが借金なのです。
政府が出すお金が国債と補助通貨(コイン)で、日銀が出すお金が紙幣です。いずれも現在は電子発行のようですね。

この「通貨」の裏付けをするのが民間の生産力です。民間はこの通貨を銀行から借りて何らかの生産をします。1000万円借りて商品などを作り出し1500万円稼ぎ、1000万円を返済すれば(しなくても)、世の中のお金は500万円増えることになります。(金利とか人件費などは省略しています)

こうしてお金は市場で増殖していきます。お金は情報ですから実体はありません。紙幣は印刷された紙きれで、情報を記録したものに過ぎません。
ですから印刷された紙幣とは、情報としてのお金の一部にすぎません。誤解なきように。

公共投資は国内の生産性を高めるための投資です。それを建設投資と申します。これによって国内の生産性が上がり、市場は膨らんでいきます。
一度市場に出たお金は。市場の中で動き回ります。銀行はそれを回すポンプの機能を担当しています。
さらに政府は建設投資を行い、民間はそれを使って市場を活性化し、お金は増殖くしていきます。

注意すべきは、お金の増殖と生産性の向上は必ずしもバランスしません。そしてお金の溜まりが偏っていきます。(貧富差の登場です)

商品は時間とともに劣化し、サービスは常に一過性です。つまり生産が繰り返され、その都度お金は増殖していきます。つまり商品などは消えていきますがお金は増殖する一方なのです。これを調整するのが「税金」であり、税金は市場からお金を消していく装置です。(あと通貨価値を下落させること(インフレ)で消す方法もあります)

財務省が「税収を使って公共投資する」ように言いますが、これは数字上そう見えるだけで、意味はありません。
政府投資と税収の関係はなく、従って公共事業に財源の心配はないわけです。
これがマクロ経済で、民間のバランスシートや家計簿のような「収入と支出」の関係はミクロ経済で、まったく違うということに注意してください。

未開発の国家に対し、先進国が投資してインフラを整備することを政府開発支援と言いますが、あくまでも未開発の対象国のマクロ経済が動くようにしなければ支援にはなりません。
すべて支援国のお金と技術と労働力で行ってしまえば、それは悪質な植民地支配になってしまいます。

「通貨」とは、まずは国家による未来からの借金で始まり、民間がその通貨の裏付けを生産によって行い、そして増加していくものであるということ。そして膨れあがった通貨を抜き取る機能が「税制度」であることを理解しましょう。

つまり統合政府の通貨発行は、民間の生産が追いつくのである限りいくらでも発行出来ます。それを借金という呼称に置き換えてみて、その金額で国民が脅されても騙されてはいけません。
公共のための支出に財源など関係ありません。未来への投資であればなおさらのことです。

このような考えをもって、さあ、このドラマを見ましょう・・・・

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