2018年4月9日月曜日

日本の電波利用法は遅れている

電波オークションが話題に上っています。世界の多くの国々ですでに主流となりつつある電波オークション制度とは、ある一定の期間を決めて電波利用権をオークションに掛け、高い価格を付けた業者に使用権を渡すと言うものです。

発信設備などは従来の業者のものを借りるなどして、内容(コンテンツ)を作成し放送するわけです。
オークションで落札した企業は、コンテンツ発信会社に転売できますし、コンテンツ発信会社はドラマやニュースなどを自由に編集して視聴者に届けます。
このコンテンツにはスポンサーが付き、商品を売り込むコマーシャルも出来るわけです。

そしてこの中には、政府広報とか政党の放送なども入ってかまわないことになりますから、現在の放送法第4条の「公平な放送を行う」などと言うのは無意味になります。
視聴者は、番組を複数見て、自己判断で真実はどこにあるかを判断するわけです。

ジャーナリストは自分の技量で取材したニュースなどをコンテンツ発信会社に持ち込み、その時間枠で流してもらいます。費用は自費だったりスポンサーがついたりとさまざまでしょう。
また、スクランブルで有料放送も可能です。企業が自社のPRに使うことも可能になります。

つまり電波オークション制度で様々な新しいビジネスが展開されることが期待できますし、すべてが偏向報道になりますから、偏向報道を取り締まる必要はなくなります。
もちろん公序良俗に抵触する番組は他の法律によって取り締まる必要がありますが、それは現在のインターネットと同じです。

さらに携帯電話の電波の枠をもっと広げる必要もあるでしょう。そして災害時にも止まらないような発信ネットワークも必要で、そのような技術開発や法的準備も居るでしょう。
災害時は携帯やスマホによって、その人物がどこに居るのかを特定し、その場所に適した情報が受信できなければなりません。携帯などは漁方向性ですからGPS機能でその人の現在地を特定し、その場所での非難情報を届ける必要があるからです。一か所の避難場所に集中して二次被害が出ないようにするのにも有効です。これは現在の放送のやり方では出来ません。

現在の日本の電波利用は、1950年台の技術環境に准じたものです。世界各国はすでに21世紀の電波環境に準じて手法を変えておりますが、日本だけがまったく話題にも上りませんでした。

その理由が電波使用権という戦後の既得権です。NHK、各民放などの強力な既得権益があり、しかも各民放は新聞社が所有し、安い電波使用料で莫大な利益を上げているからです。

この新聞社とテレビ放送局が同じ経営体質であることが、この既得権を崩せない理由でした。
テレビの普及は100%以上となり、「なんとなく点けたままで見ている」という人が多いわけです。このようなテレビ洗脳環境の中で、「電波行政を変える」などという政治家が居たら、その政治家は各放送局と新聞によってボコボコにされます。
そして次の選挙に落選してしまうわけです。テレビの洗脳効果が現れるからで、ですからこの既得権を壊すのは至難の業なのです。

そこに安倍政権が切り込みました。電波オークション制度の検討が始まったのです。放送法の改革も検討課題に挙がっています。
当然のことながら新聞とテレビはこれを無視します。
外国資本の参入を認めるという点で、保守系からも反対されているようですが、コンテンツで対抗することを考えればいいのではないでしょうか。もちろん電波の買い占めは法律で禁止しなければなりませんが。

現在、安倍政権の支持率を下げたのは、この無意識に見ているテレビ放送のおかげではないでしょうか。安倍政権を「変わった方が良い」などと言っている人達の多くが、「何故ですか?」という質問には答えられません。ながらテレビで洗脳されているからではないでしょうか。

森友問題なども安倍政権の足を引っ張るのが目的で、その理由は電波利用の既得権を守るためだけかも知れませんね。
しかし電波オークション制度はもはや避けられない問題であるような気がします。国民の意識向上のためにも必要であり、岩盤規制撤去の神髄のように思います。

NHKがスマホによるワンセグ視聴には「課金してよい」という判決を出しました。スマホの目的は双方向性の電波利用であることをまったく意識していません。
スマホは受信機であると同時にカメラであり取材機器なのです。それが何を意味するか、よく考えるべきことであると思うのですよ。
事件に遭遇したスマホが、その映像をNHKに送ろうとした時、NHKは対応できるのかどうか、出来なければ料金を払う必要はないと思いませんか。新しい放送局としての機能を持っていないと言うことで・・・

電波オークションはこのような新しい放送局を可能にして行くことでしょう。それを阻害しているのが、NHKであり、他の旧メディアの存在なのです。

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