2018年4月6日金曜日

米朝首脳会談は実現するのか?

安倍首相が日米同盟として行った北朝鮮への経済制裁は、見事に金正恩委員長の財布を直撃したようで、経済制裁の目的としていた「北朝鮮側からの話し合いの申し込み」は実現しました。
ですからトランプ大統領は「会ってやるよ!」と言ったわけですが、その後の金委員長は先ず一番制裁の弱い中共に行って会談をしたわけです。

詳細は報道されていませんが、おそらく中共側が呼んだのでしょう。金委員長にとっては渡りに船の状況があったのではないでしょうか。しかしこれは毒薬かも知れませんね。
おそらく習政権は、朝鮮半島問題で中共が蚊帳の外のまま進展することが嫌だったのでしょう。

そこで「段階的な核兵器撤廃で同時並行的な経済制裁緩和措置」という新たな提案をしてきました。これは金委員長(とその周辺)が頭をひねって作り上げた提案なのか、習政権があらかじめ考えていたことなのかは判りません。
ともかくこの提案を、北朝鮮側が独自に直接アメリカにぶつけても受け入れられないことは明白ですから、中共とともにその提案を行ったのでしょう。
この場合、韓国の今の大統領は北朝鮮の言いなりですから、当然支持は3か国となります。

ここで初めて習政権が3月初めにトランプ大統領に言ったこと・・ロシアと日本を外した4か国協議で安全保障体制の新たな枠組みを作ろう・・との提案と辻褄が合います。
そしてこのタイミングは、安倍首相が森友問題で動けなくなっている時になされたことから、日本の政界や官僚内部にも中共の魔の手が伸びていることを伺わせます。
安倍政権打倒を言う野党や3選阻止を狙う自民党内部の動きなども、この魔の手が煽動していると言って良いでしょう。
こんな謀略に引っかかる議員は「大臣の椅子」しか頭にはないようで、国家国民のことなどどうでも良いとなってしまった議員の方々でしょう。

トランプ政権は核廃棄に「リビア方式」を唱えています。「完全かつ検証可能で不可逆的な核解体」(CVID)がリビアで成功したと見て考えているからでしょう。
そしてこれは当時国連大使だったジョン・ボルトン氏の行った核の廃棄処分手法です。そのボルトン氏は現在大統領補佐官に着任しております。

金委員長が恐れるのは、これを受け入れたカダフィ大佐がその後どうなったかを知っているからです。そして間違いなく自分もそうなることを予感しているのでしょう。
アメリカと対峙した多くの権力者が、敗北後どうなったかはご存じのはず。それを覚悟の上での核開発ではなかったのですかね。

さらにトランプ政権は、「IS問題が収まっている今、最大の敵は中共になる」と宣言している大統領でもあります。(今、ピーター・ナバロ氏が浮上してきましたね)
最初は中共からの輸入品である鉄鋼とアルミに関税25%を掛けました。報復として中共はアメリカからの農産物に25%の関税をかけました。それはアメリカの経済に0.3%の打撃を与えるだけだそうです。

そして続いて、トランプ政権は「知財侵害の制裁」を掛けようとしています。サンダース米大統領報道官は「中共側の態度に変化がないなら、われわれは前進する」と述べました。トランプ大統領は前大統領を非難するように「アメリカは無能な大統領が原因で、何年も前に中共との貿易戦争に負けた」とツイッターに書き込み、「自分の政権は違う」ことをアピールしているそうです。

さて、このような状況の中で安倍首相は4月17日にトランプ大統領と会談します。トランプ大統領は安倍首相の言うことは聞く耳を持っているとか。
それはこれまでの首相の言うことがことごとく当たっていたからでしょう。就任直後に行われた首脳会談では、「シンゾーのいう習政権の問題は本当かどうか」を疑っていたわけです。しかし1年間の習政権の動きから、「シンゾーの言った通りだった」という思いがあるのではないでしょうか。

安倍首相はトランプ大統領に「段階的な核兵器撤廃を行っても、同時並行的な制裁緩和は取らない。完全撤廃が確認されてからの制裁解除のみだ」と告げるように勧めるのではないでしょうか。
そしてさらに「完全かつ検証可能で不可逆的な核解体」がその要求であり、国際原子力機関(IAEA)が査察任務を行うが、IAEAに主導権を取らせずアメリカが主導権を取る」と核廃棄の具体的な提案をするべきでしょう。
リビア方式とは、核・ミサイル装備、関連機器を船舶で米テネシー州のオークリッジ国立研究所に運搬して解体することを意味します。

この場合、核施設から核弾頭やミサイルを太平洋側の港に運搬しなければなりません。そのために国連軍とアメリカ軍が北朝鮮領内に入る必要があります。
また、兵器の隠蔽工作などがなされていないかどうかを確認する作業もあり、アメリカ軍関係者が自由に調査出来る環境も必要です。
そしてこのような活動が国民に知られれば、金委員長のカリスマはなくなり、クーデターが発生する可能性もあると言うことになります。それを率直に伝え、変な回答が帰ってきたら席を立って戻るべきです。会談は決裂で、制裁は続行します。

金委員長が中共のバックに頼ろうとしたら、必ず韓国の米軍基地撤去を口にするでしょう。その場合「北朝鮮は中共の属国に戻るのか?」とやさしく尋ね、「ご承知のように、アメリカは今後習政権と対決することになるだろう。その時、北朝鮮は中共側に付くと言うことだな」と引導を渡すことですね。もし北朝鮮が中共と敵対するなら韓国の米軍基地は役に立ちはずですからね。
米中の対決とは経済対決のことで、ドルに対抗しようという人民元を指します。フセイン大統領もカダフィ大佐も、その点で殺されたのです。そのことを暗に匂わせることです。

ついでに「プーチン大統領と私(トランプ大統領)はしょっちゅう電話で話しているよ」と言うような脅しも必要ですね。(欧米日のマスコミなどあまり信じるなということ)

ここまで結論がわかっているなら、もう米朝会談など行う必要はないかも知れません。トランプ大統領は席を立ち、そして経済制裁は継続され、中共は国内経済の悪化に四苦八苦する・・というシナリオですから。

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