日米が共同し、世界に向かって北朝鮮への経済制裁を発動し、同時にアメリカの軍事力で北朝鮮に銃口を突きつけ、開戦へのギリギリまで追い詰めた結果、金正恩委員長はトランプ大統領に会談の意思があることを韓国経由で知らせました。
ある情報によると、彼はトランプ大統領が拒否するとの前提で「北朝鮮は対話を持ちかけたのにトランプ政権が拒否した」として国際社会に訴えようと考えたようです。
ところがトランプ大統領から「会ってやろう」という返事を受けて焦ったようですね。
仕方なく、行きたくもない中共の習近平主席と会い、中朝和解を演出しそして南北首脳会談へと駒を進めてきました。
安倍首相はトランプ政権に対して日米首脳会談で「拉致問題」のカードを渡します。これは拉致被害者の奪還を頼んだと言うより、核の撤廃交渉で打開したとしても、それは北朝鮮への経済支援までは含まないことを確認したわけです。
つまり「拉致問題」が解決しない限り日本政府はお金を出さないということを金委員長に伝えるという訳です。
金委員長が何と言おうと、それはトランプ大統領に言うべきことではありません。トランプ大統領は「拉致が解決しなければ日本は支援金は一切出さないぞ」と伝えれば良いだけです。
「ではどうしたら良いのか?」と金委員長がトランプ大統領に質問すれば、そこからが拉致問題解決へ向けての動きが出て来るでしょう。
アメリカにとって、北朝鮮の核兵器は長距離だけでなく中距離、短距離のミサイルもてっぱいさせなければなりません。それだけでなく化学兵器なども撤廃させる必要があるわけです。
何故ならそれが中東に流れるからです。中東で核戦争や化学兵器使用の戦争が起きたのでは元も子もありません。
先日のシリアの化学兵器使用に対してアメリカがミサイル攻撃を行わざるを得なかったのも、こういう背景があるからではないでしょうか。
金委員長が核の自主的撤廃などを強調してもトランプ大統領は受け入れないと思います。あくまでもリビア方式が前提であり、その後も拉致事件が解決しなければ日本からの経済支援はないということで交渉するという段取りでしょう。
この冷徹な交渉前に、南北融和の演出をしているのは追い詰められた金委員長の足◯きであるとしか見えませんね。
金委員長は、「核問題はトランプ大統領との間で廃棄の証明について議論すればいい」と考えていると思います。「もしボルトン氏の意向を要求してくるならば、それを受け入れるが勝手にはさせない」とも考えているでしょう。要するに「核技術は温存し、経済再建が出来たところでまた復活すればいい」という考え方です。
世界を欺き、目的を達成することを考えているはずです。トランプ大統領と金委員長の違いは年齢です。時間が「金委員長に有利に働く」という作戦があるように思います。
そしてその後に来る「拉致問題」ですが、新たな生存者を何名か返すかも知れません。しかしそれで終わりとなるかどうか、日本側から提出されるリストにはかなり大勢の被害者が列挙されます。
しかし問題は「横田めぐみさん」に集約されていることも知っているでしょう。彼女がキーであることを。
そして何らかの理由(死亡も含めて)で返すことが出来ないように思います。めぐみさんの元の夫とか、その娘さんを出してきて何とかしようとしてきましたからね。
拉致被害者の問題の一つに「被害者自身が帰りたがらない」という問題もあるでしょう。ヤクザ組織などで見られる「無理やり犯罪をさせて組から逃げられないようにする」という手法です。
北朝鮮の犯罪(テロ)などに参加させて、「もう帰国は出来ない。帰国すれば犯罪者にされる」と思わせることです。こうして被害者自身の意思で帰国しないように仕向けるわけです。
金委員長は「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたそうです。こう話すことでトランプ大統領にも同じ意思を伝えるでしょう。
目的は日本の経済支援ですから、うっかり乗るわけには行きません。「生存者の帰還」には同意するでしょうが、「本人が帰りたくないと言えば無理だ」などと言うかも知れませんね。
安倍首相は「帰りたくない」といってもむりにでも返すことを要求しなければなりません。「連れて行くときも無理やりだったのだから、返す時も無理やりにでも戻せ」と言うしかないでしょう。
金委員長は「人権無視だ」などと騒ぎそうですが、「日本で事情を聴いて、それでも北朝鮮の方が良いと言えばまた戻す。無理やりではない」というような言い方でともかく「全員の帰国が無い限り経済支援は無い」という事を通しましょう。
死亡者の場合は死亡という根拠を「日本側の警察の調査で確認する」と言うしかないのではないでしょうか。
この調査完了を待って拉致事件の終結とする・・とすることです。ウエットな芝居に騙されないことが肝要ですね。
安倍首相はこのくらいの筋書を持って、日朝会談に臨んで欲しいと思います。日米の制裁圧力でやっとこの会談にこぎつけたわけですからね。