2018年10月27日土曜日

仮想敵国との首脳会談

10月26日、安倍首相は北京に赴き、日中首脳会談に臨みました。

人民大会堂で李克強首相と会談し、どうやら対中ODAの終了は宣言したようです。まだやってたのか・・とも思うのですけどね。
そして日中通貨スワップ協定を結び、しかもその金額が3兆円という、5年前まで行っていた通貨スワップの10倍にもなるスワップ協定をしたようです。

通貨スワップとは、自国通貨の預け入れと引き換えに、協定を結んだ相手国の通貨をあらかじめ定めたレートで融通してもらえる協定です。つまり人民元を預かって円を融通すると言う取り決めで、利払いや元本償還が円建てになると言うもの。

どうもあまり意味が解りませんが、ようするにドル不足になってしまい外国から輸入が出来亡くなった場合、人民元を円に交換し、そして円をドルの交換して支払いに充てるという意味のようです。

通貨スワップ協定ですから、その協定の詳細が判らないと何とも言えませんが、例えば中共の軍艦の部品が消耗し、ドイツから部品の購入をこの通過スワップによって行い、そしてその軍艦で尖閣諸島を侵略することもありうるのではないでしょうか。
それを我が国は許していいのでしょうか?

5年まえは尖閣海域での中共のスパイ漁船と海保の船がぶつかり、その後にこの通貨スワップが取りやめになったそうですから、再び尖閣に衝突が起きればただちの停止出来るような協定になっているのでしょうね。

このようなポイズンが考えられていれば、中共に共産主義国的卑劣さが表出した時はそれをコントロールするための材料に使えるかも知れませんが、そうでなければ我が国にとって何の利益も生みません。

産経の田村秀男記者は、このスワップは「日米の信頼を損ないかねない」と述べております。トランプ政権がここまで習政権を追い詰めてきた米中経済戦争。
中共が誇る世界最大、3.1兆ドル(約348兆円)の外貨準備は対外負債を差し引くと実質マイナスで、張り子の虎同然なのだそうです。

それを知っているトランプ大統領が仕掛けた経済戦争で、追い詰められた習政権が安倍政権に通貨スワップの再開を頼むと泣きついて来たわけです。
ですから、今回の安倍首相の訪中の間は中共のマスコミは「絶対に東シナ海・尖閣諸島のことは報じるな」との命令を受けているとか。
ともかく日本から通貨スワップの規模10倍という確約を受けるまでは・・と言うことでしょう。

もう一つの中共側の謀略が「過度の日中友好」を演出することです。つまり日米離反を狙う中共にとって、日中友好の演出はアメリカ牽制の代行の手段となるわけです。
「一帯一路」への協力姿勢について安倍首相は、「実際に中国に何かサービスをしているわけではない。こっちの利益になることは一緒にやってもいいというだけだ」などと述べたそうです。(日本の利益などになるわけはありません。)
日米離反の作戦に嵌った感のある訪中になってしまったようですね。世界に向かって中共への懸念は日本の信頼を使って払拭されようとしています。

アメリカとの経済戦争によって、人民元という紙屑になりそうなお金に、円スワップという安心を与えてしまったこと。そして友好という演出に嵌ってしまった安倍首相なのです。

我が国の外務省幹部は、「中共と対峙するアメリカに日本が『戦略的に中共と近づいている』とみられてはいけない。あくまで関係改善だが、日本はアメリカの従属ではない」などと述べていますが、軍事的独立が無ければ属国として行動しなければならないのは当然のことではないでしょうか。
外務省はまだ妄想平和から抜け出てはいないようです。

さらに「韓国を助けるための対韓スワップとは性質が違う。中国で活動する日本の企業保護のためだ」とも述べたようですが、だったら「中共に居る日本企業が恫喝されるからだ」とはっきり言えば良いのです。意味は同じなのですから。

中共は用意周到でした。先ず二階幹事長を使って首相3選での安倍支持と中共訪問を取引させたように見えます。
二階幹事長は、これまでのODAの終了と通貨スワップの再開を取引きしたようですね。
そして訪中での歓迎盛り上げで、安倍首相の対中強硬発言を封印します。目的は通貨スワップの再開ですから、それ以外の交渉はさせないという作戦だったのではないでしょうか。
尖閣諸島問題も知的財産権の問題も、技術奪取や資本の持ち出し禁止という問題も封印されてしまいました。

おそらく安倍首相は会談の中でこれらの問題について提起したと思います。しかし場所は敵地です。これはマスコミには出てきません。ですから言わなかったのと同じになってしまうのです。
安倍首相にとって、国内の親中派によって張り巡らされる謀略には対抗できなかったようですね。

財界の首相同行団の対中詣ではちょっと信じられません。トランプ政権の対日貿易交渉を厳しくさせるだけです。トヨタなどは気を付けないとアメリカ市場から追い出されるかも知れませんよ。
そして中共が仮想敵国であることに変わりはありません。この歓迎ムードの中でも尖閣諸島周辺の接続水域に海警局の公船を航行させております。

「通貨スワップ再開は日本企業が恐喝されているからです」とトランプ大統領に言えば、「じゃあその日本企業を潰してやろうか」とトランプ大統領は答えるかも知れませんね・・・

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